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港北区版 公開:2016年8月18日 エリアトップへ

慶応高生吉村さん 貝研究で最優秀賞 国際学会で高い評価

教育

公開:2016年8月18日

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国際軟体動物学会で最優秀賞を受賞した吉村さん
国際軟体動物学会で最優秀賞を受賞した吉村さん

 慶応高校の吉村太郎さん(3年・17歳)が先月マレーシアで開かれた「国際軟体動物学会2016」で貝に関する研究成果を発表し、「ポスター発表の部」において最優秀賞に選ばれた。同校によると、これまで日本人受賞者がないばかりか、「おそらく最年少受賞ではないか」という。

「二枚貝の雌雄差」指摘

 世界中の研究者が参加する大会で、3年に1度行われている同学会。今年は7月18日からマレーシアのペナン島で開かれた。吉村さんは所属している日本貝類学会から推薦され、研究を模造紙1枚にまとめ研究者からの質疑応答を受ける「ポスター発表の部」に参加した。

 発表したのは、二枚貝の雌雄差に関する研究。これまで定説では、アワビなどの一枚貝と異なり、ホタテガイなどの二枚貝には雄雌で殻に形状差はないといわれてきたが、吉村さんの研究は、これに疑問を投げかけ、定説をくつがえす画期的なもの。

論文化も進める

 今年4月、二枚貝の一種・エゾキンチャクの詳しい生態を調べるため、約140個体を北海道から取り寄せた。そこで貝の成長過程を表す殻の凹凸が季節によって変動することや、殻の膨らみが雌雄で異なることから、二枚貝でも殻に性差がある可能性を導き出した。この発表は学会で大きな注目を集め、約100件の研究チームの中から最優秀賞に選ばれた。国内の学会では発表経験がある吉村さんだったが、海外では初めて。「国際学会で発表できること自体が貴重な経験。高1から取り組んできた成果が出せた」と顔をほころばせた。

 学会では海外の大学教授から、ポスター発表だけでなく学会誌への掲載を勧められ、現在研究内容を論文にまとめているという。

進化を読み解く

 吉村さんが生まれ育ったのは福井県。中学1年生のとき、自由研究で貝殻の採集と分類に取り組んだ。夢中になり、気が付いたら集まったのが505種。その前年、似たテーマで研究を提出し、県知事賞をとった生徒が集めたのが100種。それを遥かに超える結果だった。「現存している種はほとんど収集してしまったのでは」と吉村さん。次第に興味の矛先は、貝がどのような進化を辿って今の形になったのか、その過程へと向かっていった。魅力について吉村さんは、「貝殻の形にはそれぞれの意味が隠されている。それをひとつずつ明らかにしていくのがおもしろい」と満面の笑みを浮かべる。

 現在は親元を離れて日吉に一人暮らしをしている。未来の貝類研究者として期待がかかるが、「さまざまな経験を積みながら、将来の可能性を探っていきたい」と前向きに話した。

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