本紙では新春特別企画として、横山日出夫区長にインタビューを行った。区長は昨年を福祉保健や防災に力を入れた一年と振り返った。2017年はそれを踏まえ、より「命」を大切にする一年にしたいと力を込めた(聞き手/本紙港北区編集長・添田守男)。
――昨年の振り返りを。
「区民生活の安心安全のための取り組みを地域の皆様と一緒になって着実に推進した、そんな一年でした。安心という点では、福祉保健に関する身近な相談窓口を充実することができました。地域包括支援センターの相談体制の強化がまずそれです。同センターの基本配置は3人ですが、港北区は非常に人口が多く、特に樽町など高齢者の人口が多い地域などへの増員を図る必要があることから、そのほかのエリアも含めて増員しました。それと、障害者総合支援法に基づき、基幹相談支援センターの体制強化もできました。これにより、気軽に地域で相談できるようになってきています。また、大豆戸町に横浜型児童家庭支援センター、通称「ラ・コッコラ港北」を開設。このほか、すべての区に配置される地域子育て支援拠点が、利用者支援事業法に基づいて充実してきています。いろいろなご相談を区役所でできる体制づくりはもちろんですが、もう少し、気軽に地域で相談できるようにするために専任スタッフの配置が進んでいます。加えて綱島にサテライトができたほか、第3期の地域福祉保健計画(ひっとプラン)もスタート。体制が整ってきています」
――安全という点に関してはいかがですか。
「昨年は、自然災害への備えに着実に取り組んだ一年と捉えています。自然災害への備え、地域防災拠点の訓練内容をかなり充実できたかなと思っています。港北区における崖地調査、土砂災害警戒情報の発表と同時に、即時勧告避難をしていただく3カ所(日吉本町2丁目の一部、大曽根台の一部、鳥山町の一部)を公表しました。避難勧告等を素早くお知らせしようということで、事前に電話番号等を登録していただくと、一斉に電話で音声配信をするシステムを導入しようと思っています」
港北愛を感じる
――日々の区政運営の中で特に印象的なことはありましたか。
「そうですね、やはりどこに顔をださせていただいても、みなさんが港北を誇りに持っているところ、愛着をとても強く持っていられることを感じます。『もっと良くしていこう』という情熱をひしひしと受けます。これはいつも素晴らしいと思っています。そういうお気持ちをしっかり受け止めたいですね」
東部方面線の延期
――神奈川東部方面線延期の影響は。
「今回延期で2回目となります。なおかつ3年半伸びる。利用を希望される区民の方もそうですが、新綱島駅周辺の関係者の方々もご心配されていると思います。綱島駅周辺のバス渋滞の問題や駐輪の問題、また、児童の通学時の交通安全などの問題がしばらく続くことが予想されます。我々としては少しでも早く工事が進むように、引き続き関係局と一緒になって、事業所に強く要望していく考えです」
――それに伴い新設される、区民待望の区民文化センターはどうなりますか。
「私も詳細については承知していないのですが、建設時期を含めて常識的に考えてかなりの影響を受けるのは間違いがないと思います」
――綱島・日吉間の街づくりの現況は。
「綱島サスティナブル・スマートタウンですが、いつから稼働するかはアップルさんのことなのでコメントできません。しかし、順調に進んでいるんだろうと思います。水素ステーション、2017年度の秋にできる商業施設も順次オープンし、2018年の3月か4月には本格的な街びらきになると思います」
2年後、80周年に
――2017年の抱負を。
「当たり前のことなんですが命より大切なものはないというのが私の基本的な考えです。そういう考え方に立って、やはりまずは防災、この取り組みをこれまで以上に加速させていきたいと思っています。また、子どもから高齢者まであらゆる世代が安心して暮らせるシステムの構築にも力を注いでいきたいですね。それから、2019年に港北区は、区政80周年を迎えます。その年はきしくもラグビーのワールドカップ開催の年であり、さらにその翌年は東京五輪ということで、こういった節目にビッグイベントが重なるというのは、とても貴重な機会であり、良いことです。周年を祝う新たな取り組み準備を17年から地域の皆さんと一緒になってスタートさせたいと思っています」
――最後に区民にメッセージをお願いします。
「解決すべき課題は、たくさんありますが、これまでも活発な区民活動に支えられて港北区は発展してきました。一緒によい街になるよう、これからも区民のみなさんのお力をお貸しください。よろしくお願いいたします」
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