港北消防署長に就任して1カ月、区の防災に取り組む 安江 直人さん 横浜市在住 55歳
都市基盤の変化に対応
○…港北区は、約34万1千人と横浜市内でも最大の人口を抱えるエリア。「火災・救急の出場回数も市内で2番目。そのため業務量が多く、活気のある署という印象」。活気のある署は、向上感を生み出すため、その雰囲気はこれからも引き継いでいきたい、と着任の抱負を述べる。
○…横浜環状北西線の開通や、相鉄・東急直通線の整備など、港北区では今後都市基盤が大きく変化する。またラグビーワールドカップなど、日産スタジアムでの国際的なスポーツビッグイベントも予定されており、イベント時の災害シミュレーションも必要となってくるという。「たとえば都市基盤の変化により、トンネルや地下内での火災など、新たに想定される災害があります。どんな災害が起こるかしっかり把握、想定し、準備をしていきたい」と表情を引き締める。
○…社会人になる前に、両親が逝去。命の大切さを実感したことが、消防士を志すきっかけとなった。入局した当初、火災現場で、消火活動が長時間に及ぶと近隣住民がねぎらいの意味で炊き出しをしてくれた。また制服を着て地域で活動していると、次々に声をかけられるなど、消防士という職業への市民の期待を大きく感じた。「この期待・信頼にしっかり向かい合っていこうと今も心に刻んでいます」。東日本大震災のような大規模災害が起きると同時に複数の場所で人命救助が必要となり、阪神・淡路大震災時のデータでは、人命救助の約95%は自力脱出および近隣住民の手で行われていたという。「自助・共助の精神を地域に更に浸透させ、防災意識を高めることも、消防の大事な仕事と考えています」
○…妻・二人の息子、末娘との5人暮らし。息抜きは「娘の吹奏楽部の演奏を聴きにいくことかな」。学生時代はサッカー、野球、武道と幅広くスポーツをこなしてきたが「多忙で今は散歩ぐらい。また何か始めたい」と笑顔を見せた。
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