最新号:2012年2月 9日号
2010年8月19日号
「目標はボストン交響楽団」
○…神奈川フィルハーモニー管弦楽団は、今年創立40周年。その節目の年に同楽団では、応援メッセージを添えた署名の募集を始めた。補助金や寄付金の削減で苦しい運営が続くなか、多くの県民に楽団の現状を知ってもらうことが目的だ。「楽団は神奈川の文化のシンボル。もしつぶしてしまうようなことがあったら、後悔してもしきれない」と安定的な存続へ向けて、不退転の決意を語る。
○…出身は大井町。現在は神奈川トヨタ自動車(株)の名誉顧問を務める。昭和32年に入社すると主に経理畑を歩み、平成5年から7年間社長を務めた。楽団との関わりは、同社の社会貢献事業の一つ「クラウン・クラシックコンサート」が始まった昭和63年から。「上野健一郎社長(当時)が大の音楽好き。僕も学生時代は合唱部でクラシック音楽が好きだったから」と当時を振り返る。平成14年に理事長に就任すると、財政健全化や定期・企業会員の増加にも力を尽くしてきた。
○…「理想のオーケストラ」にボストン交響楽団の名を挙げる。小澤征爾氏が長く率いたことで知られる同楽団を「高いレベルの演奏が聴衆を育て、お互いを高め合っている」と評する。もちろん、そうした関係を県民との間に築くのが目標だ。すでにその兆しはある。昨年、正指揮者に迎えた金聖響氏は、人気と実力を兼ね備えた若き俊英。「彼の音楽に向き合う真摯な姿勢が、楽団全体にいい影響を与えている」と大きな手ごたえを感じている。興行面でも県内各地での演奏会など、アイデアは次々と浮かんでいるようだ。
○…音楽はもちろんゴルフはハンデ16の腕前と趣味は幅広い。その一つが盆栽。「特に好きなのは欅。鉢のなかに四季の移ろいがあって、見ていると時間が経つのを忘れてしまう」と微笑む。「音楽と同じだね。知れば知るほど味が出てくる」。生の音楽に触れる感動を多くの人に−。その情熱はまだまだ衰えそうにない。