3月で1周年を迎える「劇団・夢スタ」の講師を務める 森田 等さん 東京都大田区在住 55歳
芝居と人にとことん真剣
○…小学1年生から60代までの幅広い世代13人が集まる「劇団・夢スタ」を指導する。3月で発足から1年。2月12日には、都筑の文化夢スタジオで、ミュージカル「セロ弾きのゴーシュ(宮沢賢治原作)」の初公演を行った。拍手喝采に終わったステージを振り返り、「初心者がほとんどだった劇団で、よくここまでできた」と、満足そうに頷いた。
○…練習がスタートした当時の一座は「ガヤガヤ集団」。やんちゃな小学生に多感な中学生といったメンバーをまとめるだけでも一苦労だ。それでも、子ども扱いはしない。「演劇は、本当にリアルを再現しようとすると伝わらないけど、嘘っぽくてもダメ」など、芝居の奥深い部分まできちんと教える。「伝えるときはいつも真剣」。そんな熱意は、団員にも伝わった。回を重ねる度に練習にもメリハリがつき、今や劇団が「ファミリー」に。本番では、団結して集中力を発揮。「役者の一生懸命さに涙が出た」という観客もいるほど大きな感動を呼んだ。
○…青春時代はフォーク全盛。「誰もがギターを持ってた」と言うが、その入れ込み方は特別。井上陽水などに影響を受け、中高時代には作詞、作曲も。その数は約200にも上るという。大学では、ミュージカル研究会に所属。どっぷり舞台の世界に浸かった。社会に出てからは、小椋佳の事務所で演劇のプロジェクトに携わるなど、演劇道一筋。現在は、フリーの脚本家、作詞家、演出家として活躍する。「自分がイメージする世界観を作り上げるって、おもしろい」。芝居の世界をとことん追及する。
○…酒と読書と散歩好き。東京から区内のスタジオに通う時は、あざみ野駅から40分かけて歩くことも。「街の中には新鮮な発見がたくさんあるよ」。そんな日常でも、クリエイティブな感性を養っているのだろう。劇団・夢スタは、初公演を終えて2年目へ。今後どのような発展を見せてくれるのか、期待が高まる。
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