寄稿㊹ 最先端医療の推進を横浜でも 横浜市会議員 斉藤しんじ
iPS細胞の作製でノーベル生理学・医学賞を京都大学の山中教授が受賞したニュースは大きな話題となりました。万能細胞であるiPS細胞は事故や病気で傷んだ組織や臓器の機能を取り戻す再生医療や創薬への応用が期待されています。
一方、今年9月「造血幹細胞移植推進法」が成立しました。造血幹細胞は、血液中の赤血球や白血球、血小板をつくり出すもとであり、骨髄のほか、赤ちゃんのへその緒や胎盤の中にあるさい帯血などに含まれます。公明党は98年にさい帯血移植術への保険適用、翌99年には公的バンク設立を実現しました。今回の推進法は、さい帯血バンク及び骨髄バンクへ国による財政支援が盛り込まれたものであり、高齢化などに伴う移植ニーズに答えるものとなっています。
iPS細胞研究にさい帯血を活用
さらに、さい帯血はiPS細胞作製に理想的な材料となるものです。山中教授も「さい帯血という宝の山を、iPS細胞という違う形で患者のために使わせてもらいたい」と公明党の会合で力説をしていました。今回の推進法で、移植に使わないさい帯血を研究のために活用することを法的に認めています。皮膚などの体細胞からiPS細胞を作製し、治療に必要な細胞を作るには約半年かかり、患者自身の皮膚から作ったのでは間に合わないこともあります。そこで、さい帯血バンクの中の拒絶反応を起こしにくい免疫の型からiPS細胞を作製し備蓄しておくことが有効な対応となります。
横浜市立大学でもiPS細胞の実用化の研究に取り組んでおり、今後も支援を行ってまいります。
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