鶴見川水系流域の最大規模降雨量をこれまでより引き上げた場合の洪水想定図を、国土交通省京浜河川事務所と神奈川県がこのほど公表した。都筑区内では第三京浜港北インターチェンジ(IC)周辺、川向町の一部が最大で1週間浸水が続くエリアに想定された。
洪水想定が公表されたのは、一級河川の鶴見川と支流の早淵川、恩田川、有馬川などの10河川。そのうち、区内では鶴見川、早淵川、大熊川、有馬川の4河川が対象だ。今回の想定見直しは局地的な大雨など、近年の気候変動を踏まえ9年ぶりに行われたもの。同流域全体の48時間降雨量をこれまでの405㎜から約2倍の792㎜に引き上げて洪水の影響を試算した。
気象庁の統計データによると横浜の2011年から5年間の年平均降水量は1753・4㎜。これと比べると48時間で792㎜の雨は、年平均の5・4カ月分が2日間で降る状況といえる。
港北ICは4・8m
鶴見川は大きく蛇行する形で流れており、水が滞留しやすく周辺地域の被害が大きくなることが予想される。公表資料によると、浸水の深さは港北ICで4・8m。さらに同IC付近の川向町は、ほぼ全域で3〜5m未満で、一部エリアは5〜10m未満と大きな被害が想定されている。
川向町では現在、横浜環状北線・北西線の工事中で、周辺には工場や倉庫も多い。同町で精密板金加工を手掛ける新井製作所の新井
博取締役会長は「今後、川向町全体で情報を共有する必要があるのでは」と話す。
また、区の中心部を横断する早淵川や大熊川周辺は0・5〜3m未満が大部分を占め、東山田町の一部を流れる有馬川の区内部分の浸水は、想定していない。
東山田駅で3日間
地下鉄グリーンライン「東山田駅」の南側を流れる早淵川流域では、同駅周辺の浸水継続時間が最大3日間になることも判明した。さらに、緑区方面から港北ICへ向かう緑産業道路も3日間の浸水想定となり、鉄道や道路網に影響を及ぼす可能性も示された。
浸水の深さや継続時間について京浜河川事務所の担当者は「あくまでも想定ですので、対象エリア外に住む人も十分に注意してほしい」と促している。
国交省と県は、鶴見川水系などの大規模氾濫を想定した治水対策を進めており、今回の指定・公表はその一環。行政による避難勧告の適切な発令や住民による主体的な避難に役立ててもらうことが目的だ。
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