2017年、酉年の幕開け――。干支に因み、本紙では、神奈川県内初の肉用鶏ブランドを目指している「かながわ鶏」の生産者の1人、織茂武雄さん(65・南山田町)に、その取り組みや雛の育成について話を聞いた。
県内では豚肉、牛肉、生乳、鶏卵といった畜産物が生産されているが、鶏肉については近年、飼養農家がいなかった。県畜産課によると、地元で生産されたものを地元で消費する「地産地消」の動きが高まり、神奈川県産の鶏肉を購入したいという要望が消費者や飲食業界から呼せられるようになっていた。
そこで県畜産技術センターが試験研究に取り組み、畜産関係7団体と県が主体となって県産肉用鶏のブランド化を推進する組織を15年6月に発足。区内の養鶏家、織茂さんが「かながわ鶏」の生産者として、プロジェクトに参加している。
肉に「味がある」
織茂さんは昨年1月と6月に、各300羽程の雛を4カ月程育成した。「採卵用(雛の育て方)は分かるが、肉用鶏の育成は経験がないので手さぐり状態」。しかし、長年の経験から鶏の病気を防ぐために鶏舎のゲージを高くし、業務用扇風機を設置するなど工夫を凝らしているという。
昨年8月の試食会には黒岩祐治県知事も参加。フレンチ、中華風、和風の3種類の料理に「美味しい」と太鼓判を押した。味について織茂さんは「味気がないブロイラーと違い、肉に味があって、噛みごたえ、食感が良い。いい火がついたので、今後普及させていきたい」と笑顔を見せる。
2月には今年初の雛を育成する予定だ。
都筑区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|