横浜市立中川西中学校(平川理恵校長)はこのほど平成28年度「キャリア教育優良学校」として文部科学大臣から表彰された。生徒が多種多様な職業と出会う場を作り、社会的・職業的自立を促している点が評価された。
職業との出会い創出
文科省はキャリア教育において顕著な功績が認められる学校などを表彰。中川西中のキャリア教育は学年ごとに3部構成で実践されている。1年生では職業講話を実施。複数の業種から3つを選んで話を聞ける形式を取っており、生徒が様々な職業に触れることができるよう工夫されている。
今年度は弁護士や家具職人など総勢11人が講師を務めた。近隣のハウスクエア横浜内の(株)東急ホームズ、樫村英将さん(40)は、営業マンとしての心がけや同社が扱う住宅などについて説明した。「建築や営業に憧れを持っている生徒の夢やプランに役立ててもらえたら」と樫村さんは話した。
また、2年生では地元企業約70社での1日職場体験を通し、働くことの意義を学ぶ。高校受験を控える3年生が行うのは、地元企業の人事担当者などを面接官とした進路模擬面接。具体的な進路を定め、自分の言葉で表現する力を養う。
さらに、多彩な出前授業を導入しているのが同校の最大の特徴だ。例えば、2年生の国語の教科書に掲載されている『アイスプラネット』の作者・椎名誠さんを招いた講演や、プロダンサーによるダンスの指導など、内容は多岐にわたる。多い時は月に一度のペースで行っているという。多様な業種に出会う場を設け、生徒が意欲的に将来を考える環境が整っていることが今回の表彰に結びついた。
地域と連携
同校のキャリア教育の実現には、地域と学校を繋ぐ役割を担うボランティア「地域コーディネーター」の力が必要不可欠だ。各企業へはコーディネーターの5人が中心となって電話や訪問で協力を仰いできた。来年は職場体験の日数を3日間に増加すべく、受け入れ企業を増やそうと奮闘している。活動を行って2年の渡辺美和子さん(48)は「結果はすぐに出なくても、生徒が将来やって良かったと思ってもらえたら嬉しい」と思いを寄せる。
「色んな人を呼べるのは学校だからこそ。様々な職業に触れることが豊かな人生を送るための導入部分になってほしい」と平川校長。生徒の将来に芽吹く種まきにこれからも尽力する。
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