寒水で身を清める「水行」など、厳しい修行を100日間行う日蓮宗の過酷な「百日大荒行」。川和町にある城根山 妙蓮寺(柳下俊明(しゅんみょう)住職)の柳下教明(きょうみょう)副住職(24)が18日、この修行から戻り同寺院内で帰山奉告式が行われた。柳下住職も30年前に荒行を経験しており、親子二代に渡り達成した。
全国各地の日蓮宗の寺院から自ら志願した僧たちが、大本山 法華経寺(千葉県市川市)に集い、行われる荒行。柳下副住職も昨年の11月1日から入行し、修行期間の「寒壱百日(かんいっぴゃくにち)」を2月10日に終えていた。
死装束を身にまとい、1日7度の水行、朝夕の質素な食事、約2時間半の少ない睡眠以外は、読経の日課という厳しい生活を続ける。修行を終えた僧は、「木剣相承(ぼっけんそうじょう)」と呼ばれる特別な祈祷を行えるようになる。
当日は檀家や近隣住民、約400人が境内に詰め寄せた。髪や髭が伸び放題の荒行僧7人を中心にお練りの一行が寺院周辺を行進。桐蔭学園中・高時代、野球部に所属し体格のよい柳下副住職の頬は痩せこけ、衰弱した様子が見られた。柳下住職は、息子である副住職を出迎えた瞬間、涙する場面もあった=写真下。その後、寒空の下で、何度も冷水をかぶる「水行」が行われ、周りの人々はあまりの迫力に息を呑んだ。
「忘れられない」
小学3年生の時、母の輝美さんを亡くした副住職。今回の荒行志願は檀家の幸せのため、妙蓮寺の発展のため、そして亡き母の供養のためだったという。
副住職は「みんなでつらい思いをし、忘れられない100日間だった。私一人ではなくみんなで果たした修行。待ってくれた家族や友人、檀家さまに感謝の念でいっぱいです」と挨拶した。息子の帰りを待っていた住職は「無事に帰ってきてくれて嬉しい。30年前、自分が体験した荒行の事を思い出すと胸にこみ上げてくるものがある」と話した。
副住職と中学高校時代に同じ野球部に所属していた益井悠吾さん(25)も寺院に駆けつけ「人相が変わっていてすごく心配した。無事帰ってきてくれて心から安心した。とても嬉しい」と帰山を喜んでいた。
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