池辺市民の森愛護会の会長に就任した 増尾 明さん 池辺町在住 67歳
自分よりも人に喜びを
○…先月オープンした池辺市民の森を管理する団体が結成され、会長に就任した。現在、23人の会員を取りまとめ、森の美化活動に汗を流す。周辺住民のみならず、他エリアからもこの場所を訪れる人も多いという。「『珍しい花が咲いていたよ』などの声が多く寄せられ、みなさんの関心が高いことに驚いた。会長をやるからには全力で務め上げたい」と意気込む。
○…毎月1回、愛護会会員で森の中にある通路や広場の草刈り、ごみ拾いを実施していく。「大変な作業だが、木々に囲まれた新鮮な空気を吸い、達成感を味わいながら楽しくやっている」。また、市民の森がある池辺町滝ケ谷戸自治会会長の顔も持ち、防犯パトロールや地域のイベント、祭りの企画など、まちを支える陰の立役者だ。「自分よりも他人に幸せを感じてもらいたい」と穏やかに話す。
○…鶴見区生まれ。小学1年生の時、父親が病気で他界し、名古屋の伯母の家に預けられた。その間、母は1人県内に残り、子どもの将来のため、町工場で懸命に働いた。「寂しくはなかった。厳しくも優しい伯母に育てられ、感謝している」。中学入学時に横浜市内に戻り猛勉強の末、学費の安い横浜国立大学夜間部に入学。「母に負担を掛けたくない」と、昼は神奈川県庁で働き、夜は大学に通った努力家だ。しかしその頃、学生運動が激化。身の危険を感じ、1年でやむなく中退した。19歳の時、縁あって横浜市役所に転職。35年前、池辺町に住まいを構え、定年まで勤め上げた。「家族やまちの人を思うと自然と力がみなぎり、頑張れた」と人生を振り返る。
○…趣味は2年前から始めた料理。「妻は中華、孫にはピザが好評。お店のピザには負けませんよ」と自信満々。「人が喜ぶ姿を見るのが好き。今後も楽しい企画をたくさん行っていき、この森に老若男女が集い、地域の憩いの場になってもらいたい」と話すその目は真っ直ぐ前を見据える。
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