2年後の都筑区制25周年に向け、区史をまとめた「図説 都筑の歴史」の編さん事業が進められている。昨年6月の編さん委員会発足から1年が経ち、先月20日の委員会では区史に関わる大きな発見も報告された。
◇◇◇◇◇
区成立以来、行政が区史をまとめた文献は無かったため、かねてから編さんを希望する声があった。そこで昨年6月28日、区連合町内会自治会会長の村田輝雄さんを委員長に、横浜北部の郷土史を研究する相澤雅雄さんを副委員長とする委員会が発足。文献の収集、調査をして旧石器時代から現代までの区史を一冊の本にまとめる予定だ。
相澤副委員長と郷土史家・中西望介さんらは5月28日、調査の一環で佐江戸町の無量寺を訪れた。ここには中世に造られた様々な石造物が多数残っている。その種類や形状、刻まれた銘文などから地域的特徴を読み取るため、当日は石造物の洗浄や拓本を採る作業を行った=写真。
その結果、板碑(いたび)や五輪塔(ごりんとう)などと呼ばれる石造物に加え、今回新たに宝塔(ほうとう)が発見された。周辺地域と比較しても種類が豊富かつ大型であるほか、彫刻が細微に施されたものもあり、石造物を造ったのは財力と信仰のある人物であることが伺える。さらに「応永三十五 五月七日」と書かれた銘文が見つかったが、この年は正確には「正長元年 五月七日」と表記するため、改元がどのような経路で佐江戸まで伝わったかを知る手掛かりとなる史実もわかった。
旧石器時代から港北ニュータウン造成までは有識者が、区成立までは区民代表者、そして区成立以降は区役所が担当し、それぞれ必要な部分は調査をしながら作業を進め、年内の執筆を目指している。相澤副委員長は「人々の時代時代の足跡を資料から解き起こし、子どもたちが自分の故郷の歴史を振り返る一冊にしたい」と話した。
図説はA4判フルカラー、約250ページになる予定。販売や配布については未定だが「区民に広く読まれるようにしたい」と区担当者は話している。
|
<PR>
都筑区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|