7月1日付で横浜都筑ライオンズクラブの会長に就任した 齋藤 洋吉さん 大熊町在住 75歳
「人情味溢れるまちに」
○…区内を中心に活動する奉仕団体、横浜都筑ライオンズクラブ(以下LC)の26期会長に就任した。今後は会員37人と一致団結し、区民まつりや福祉農園など、より良いまちづくりのために汗を流す。加入5年目での初の大役に「先輩方が築いてきた伝統と歴史を守りながら、大切に運営していきたい」と穏やかな表情で語る。
○…大熊町の農家に生まれ、港北ニュータウン開発前の自然豊かな土地で育った。「小さい頃は、野山を駆け回って遊んだ。夏の夜にはホタルがきれいだった」と懐かしむ。以前は米作りも行っており、中学時代は田植えや稲刈りの繁忙期に、学校を休んで家の仕事を手伝った。「昔はそれが当たり前だった」。24歳の時、父親から家業を受け継いだが、当時の日本はオイルショックの真っ只中。重油の価格が跳ね上がり、トマト栽培の温室管理に必要な暖房費がかさんだ。「父親から受け継いだばかりだったし、大変だった」。数々の苦難を乗り越え、約半世紀たった今でも、真っ赤なトマトに情熱を注ぐ。
○…「社会奉仕なんてしてこなかったから。異業種で活躍する人たちと関わり、そこで出る意見もさまざまで勉強になる」。知人の紹介で70歳の時、LCに入会した。活動する中で得られた地域の人の笑顔に「自分でも人のために何かしてあげられることがあるんだ」と奉仕の心に火が付いた。新規会員増加のために、地域住民に興味を持ってもらえるような親しみやすい団体を目指す。
○…落語を聞くのが趣味。笑い話よりも人情話を好むのには理由がある。「人と関わり合う中で大事なのは人情。昔に比べて、今の子どもはまちの人との交流が少なくなっているような気がする。他人への思いやりや温かい心を育む場を作りたい」。これからは子どもの貧困対策や住みやすい環境作りに、奉仕の立場から、自分たちにできることを模索していく。
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