設備の老朽化や植栽の手入れのため、中川中央町内会(小池英治会長)らはこのほど吾妻山(あずまやま)公園(中川中央一丁目)の美化活動を開始した。活動には今年5月、何者かによって引き抜かれた陽光桜を再び公園に植樹したいという町内会員らの願いも込められている。
周辺を木々に囲まれ、丘のような形状をしている同公園。頂上広場と2つの入り口付近には全16台のベンチがあるが、06年の開園以来修繕されたことはなく、老朽化により傷んでいた。また園内の竹林は竹が伸び放題で、年2回の行政による手入れでは追いつかないのが現状だった。「公園を造ればメンテナンスが必要なのは当然。造りっぱなしはいけない」。見かねた小池会長を中心とする町内会員4人と吾妻山公園愛護会(澤村耕三会長)は自分たちで整備することにした。
6月上旬から本格作業を開始。月曜から土曜の午前を作業時間とし、ベンチの天板を外してヤスリをかけ、青と緑のペンキで塗装を施した。金属製の脚は磨き、さびを落とすという作業を続けること一カ月。6月末には頂上の8台以外のベンチを修復した。
また、竹林は町内会の河俣辰則さんが雑草の除去のほか、竹同士の間隔を開けて景観を整えた。「公園の雰囲気が明るくなった。公園を住民の憩いの場所にしたい」とメンバーは思いを込める。
「抑止のための整備」
同愛護会の10周年を記念し昨年12月、頂上広場に陽光桜の苗木5本を植樹。同町内会や周辺団体とともに「花見のできる公園に」と願いを込めて植えたものだ。今年3月に無事花を咲かせ、花見を楽しんだばかりだった。
5月9日、近隣住民から知らせを受けた町内会員が公園を訪れると、誰かに引き抜かれた桜の木を発見。中には枝を折られたものも。すぐに再植を試みたが成功しなかったという。警察署に被害届を提出したものの、犯人の特定は困難と告げられた。「桜に罪はない。いたずらの真意はわからないが、何か理由があるなら聞かせてほしい」と小池会長は悔しさをにじませる。
「公園をきれいにして住民の目がいくようになれば抑止力になる」。この活動には先の事件を受けた再発防止対策の側面もある。今後は秋にかけて残りのベンチを修復し、11月に桜の再植樹を目指している。
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