聖マリ西部病院 被災地医療 早期確立を 救命救急センター長ら、気仙沼市に
矢指町の聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院(田口芳雄病院長)では横浜市の要請を受け、東日本大震災の被災地へ4月から医療チームを派遣している。4月中には派遣を志願する11人の医師や看護師を派遣。
4月17日から20日にかけては、市の第11次派遣チームの一員として、桝井良裕救命救急センター長が宮城県気仙沼市へ赴いた。
桝井センター長らのチームは医師2人、看護師2人、薬剤師1人、事務員1人で構成。それぞれ異なる病院などから派遣された。同チームの到着時、気仙沼市内には全国から25の医療チームが派遣されていたという。
中学校を拠点に、仮診療所となっている3カ所の避難所を巡回。1日平均で20〜35人を診療した。桝井センター長は現地の様子を「地震発生から1カ月が過ぎていたが、津波と火災被害の大きさにショックを受けた」と振り返る。
避難所については「電気や水道が長く止まっていたこともあり、衛生環境の劣悪さに驚いた」と力を込めて話す。慢性的な持病を抱える患者に加え、避難所の環境の悪さから体調を崩す患者も多かった。中には、カイロによる低温やけどの症状を訴える患者もいたという。
災害時の医療体制に課題
全国各地から医療チームが派遣される中、その体制には「課題が多い」と桝井センター長は指摘する。チームの中には行政が直接関与せず、独自で職員を派遣する病院も多いという。
「大切なのは早急に被災地の地域医療を復旧、確立させること。それは現地の様子を実際に見ていなければ分からない」。統括する機関が定まらないため、被災地の医療体制は混乱した状態が続く。桝井センター長は「本来は行政が果たすべき役割」と指摘していた。
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