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旭区版 掲載号:2011年6月9日号 エリアトップへ

結婚55年目に夫との詩を綴った 坂本 シマ子さん 中沢在住 76歳

掲載号:2011年6月9日号

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気張らず、ありのままで

 ○…20年近く書き続けている詩。庭を見ながら、孫と一緒に遊びに出かけて、思いつきで「ありのままの言葉」をつづったノートは数え切れない。友人に誘われ通い始めた俳句教室では、合同で本も制作した。根っからの読書好き。「一晩で1冊を読みきっちゃう。どちらかと言えば政治的なノンフィクションが好き」。読むたびにわくわくする気持ちはいつも同じだ。

 ○…南区の中村町出身。1歳半で母親、終戦前に父親を亡くした。兄弟の多くも横浜大空襲でこの世を去り、姉夫婦に育てられた。幼いころから兄の影響で本をたくさん読んでいたという。高校卒業後は銀行に就職。街の貸本屋に足しげく通っていたところ、店主をしていた今の夫に声をかけられた。「アルバイトしてくれないかって誘われて」。銀行の仕事もあったが、大好きな本のためにと、店を手伝うように。瓦職人だった夫は、仕送りのために貸本屋を経営。自然と惹かれ、19歳で結婚することを決めた。「周りからは大変だからって反対されたけど、何くそって。一生懸命に働く人ならと信頼していた」。結婚後は二俣川へ。一銭もなかったが、「二人で頑張らなきゃ」と前を向いた。

 ○…二俣川では貸本屋を切り盛り。アイスキャンデーを作って売ったことも。瓦店だった夫の事業が軌道に乗り、1963年に(株)坂本興業を創立。会社を手伝うため、早朝トラックの後ろに赤ん坊のわが子を乗せて夫と現場へ。「玉石を積んだり、力仕事もしたわよ」と笑う。会社は拡大し続け、テーマパークの受付もこなした。結婚55年目を迎えた年には、夫とのこれまでを振り返った詩を詠んだ。「仕事人間の主人 人を愛せる主人と気張らずにありのままで一生過ごせたら本望」―。最後に締めた言葉は、半世紀以上にわたり夫と築き上げた幸せを噛みしめた。「家族、社員、地域に支えられて今があることに感謝したい」。ふと庭を眺め、また詩を思いつく。
 

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