高齢者支援 モデル終了へ 旭北で2年、地域連携に課題
旭北地区連合自治会(星野耿会長)で2010年2月から導入されていた「横浜市一人暮らし世帯等安心生活支援モデル事業」が、3月末で終了する。地域ケアプラザなど関係機関との協力体制は強まったものの、地域間の意識共有や連携には期間が短かったようだ。
これは一人暮らしの高齢者世帯などを対象に、見守りや日常生活の支援を行う、厚生労働省による事業。横浜市内では旭区と栄区の公田町団地がモデル地区に選ばれ、事業に取り組んできた。旭北地区では、旭区から委託を受けた同地区の「NPO法人たちばな福祉会」が運営していた。
地域の民生委員と訪問員が10年4月から、取り組みの説明や定期訪問の希望を確認するため約400世帯を訪問。そのうち、一人暮らしと二人暮らしの合わせて25世帯が定期訪問対象となった。定期訪問は本人が希望した場合と、希望していないが、見守りが必要と判断されたケース。希望していない世帯には訪問を重ねるうちに、「話を聞いてもらえてうれしい」という声が聞かれたという。
一方で電話などを完全に拒否する場合も。そこで日々の様子を確認するため、玄関ドアにメモを挟んで翌日改めて見に行ったり、自宅の雨戸の開け閉めがないかなど、家の外観で前日と異なるところがないかで判断していたという。
地域のつながり重要に
事業が始まってすぐ、対象者の男性が自宅で倒れているところを訪問員が発見し、救急搬送されることがあった。男性は外出することが少なく、近所付き合いもほとんどなかったという。
訪問員は「そのとき自宅に行かなければ、最悪の事態になっていたかもしれない。見守りがなければ防げなかったかも」と振り返る。しかし「24時間見守ることはできないので、孤独死を完全に防ぐのは難しい」と指摘。「訪問機関では限界があるため、自治会や地域の協力は不可欠。日ごろから交流し、見守ってもらえれば」と話している。
旭区役所は「旭北地区に限らず、特別に見守り人を設けなくても、近所同士で声をかけ合い、助け合える関係づくりができれば」としている。
今回の事業終了を受け、訪問員は「時間的に厳しかった。ケアプラなどの機関との協力体制もできた矢先。もう少し時間があれば、地域の体制も整ったのでは」と話す。
4月以降は、地域の民生委員などが見守りを続ける。星野会長は「民生委員を支援する人たちを募る必要があるが、ボランティアに頼るのは厳しい面もある」としている。
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