小規模多機能型居宅介護事業所と市認可保育園を開設した 鈴木 敏男さん 本宿町在住 53歳
望郷の念 いつもそばに
○…1年半ほど前から地元町内会の署名を集め、4月の開所にこぎつけた。旭区3ヵ所目という二俣川で、訪問と通い、宿泊を組み合わせた介護サービスを提供する。「街のど真ん中にあった方がいろんな人との接触があるし、利用者や家族も安心する」。小規模多機能型居宅介護事業所の認知度アップを目指すとともに、これからの福祉や介護施設のあり方を模索していく。
○…旭区の植木屋の家に生まれ、大学を出てフラワーサービス業界へ。入社2年で東北の新店舗店長に抜擢、その後は新店舗開発担当として全国を転々とした。99年に不動産管理会社(現(株)グリーンネット)を設立。マンション新築や管理を手がけてきた。日々、物件の清掃に足を運び、入居者や近隣住民と交流。保育、福祉分野への新たな進出は、そんな対話がきっかけだ。「まったくの素人だったけど、自分の手でつくりたかった」。新規事業は当初3人からのスタートだったが、賛同してくれる仲間は40人超にまで膨れ上がった。
○…少年時代は「ごく普通の学生だった」。市立万騎が原中学校の出身で、OB仲間も多い。「旭区は何があっても故郷。いいことも悪いことも、地元じゃみんな知られちゃうから」と苦笑い。「1日に60回は逃げ出したいと思ってた」と振り返る大学の応援団時代は、「特別これという出来事は思い出せない」というほどの「しごき」の渦中にいた。「スポーツなら1位を競うけれど、そういうものがなくて、限界を自分の力で超えていくしかなかった」。4年間で培った心技体は、今も身に染みついている。
○…定年まであと6年。自分が行きたいと思える、理想の施設をつくりたいというのが目下の夢だ。「近くにスーパーやパチンコ屋があって、富士山が見える露天風呂があったらいいな。不純な動機って言われるけど」と笑うが、その瞳は真剣だ。「いろんな人に囲まれて暮らしたい。その方が断然楽しいに決まってる」
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