月が太陽を完全に遮り、太陽の光がリング状に見える「金環日食」が5月21日、首都圏で173年ぶりに観測された。リングを最も美しい状態で見られる「中心食線」が通る旭区では、各小中学校で観測会が開かれたほか、よこはま動物園ズーラシア=上白根町=でも開園を午前6時に早め、観測会を実施。市内外から約2800人が来園し、世紀の天体ショーを楽しんだ。
金環日食の当日、横浜市の天候はあいにくの雨で、空は厚い雲に覆われた。開園を早めたズーラシアには、金環日食を見ようと午前7時半までに2874人が来園した(同園調べ)。
午前7時ごろになっても曇天で観測が心配されたが、7時半に近づくと、うっすらと太陽の光が雲間から見られるように。アカカンガルー前には大勢の来園客が集まり、日食グラス片手にその時を待った。
「見えた!」―。7時31分ごろになると、雲の切れ間から細いリング状の輝きが一瞬現れ、あちこちで歓声が沸いた。鶴見区から来た小島好子さんは「はっきり見えた。きれいだった」と笑顔を見せ、孫のるいさんも「初めて見てびっくりした」と満足そうな表情を浮かべていた。
動物にも変化?
同園のみどころである動物たちにも、多少の変化が見られた。金環日食の影響かどうかは断定できないが、アカカンガルーは食の最大にあたる7時34分ごろになると、急に走り出す行動が見られたという。飼育員の見解は「お客さんの歓声に驚いたせいかもしれない」とのこと。
また、インドゾウは特に目立った様子は見られなかったというが、メスのシュリーが、普段は昼ごろに入るプールに7時40分ごろに入る様子が見られ、飼育員は「とても珍しい」と話していた。
区民も高い関心
旭区では昨年12月から「旭区金環日食プロジェクト」を立ち上げ、関連イベントや金環日食にちなんだ菓子やパンを事業所に依頼し販売するなどしてきた。旭区役所には金環日食の観測地や日食グラスの販売場所などに関する問い合わせが相次ぐなど、区民の関心の高さもうかがえた。区職員が5月11日に調べたところ、日食グラスは区内家電量販店や書店ではほぼ売り切れの状態だったという。
区職員は「当日は拍手が起こるなど感動的な雰囲気だった。地域でも金環日食の話題が上がり、嬉しく思う。金環日食を見た旭区をふるさとに感じてもらえれば」と振り返った。
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