南希望が丘自治会(本谷康次会長)内にある通称「南希の森」が、緑地整備されることに決まった。うっそうとしていて気味悪がられていた森だったが、地域住民らの努力により、地域の交流場として生まれ変わる。
南希の森(仮称)=南希望が丘=は約2300平方メートルの私有地。今秋から横浜市による工事が始まり、来年4月の完成を目指す。もとの自然を生かした緑地計画が進められる。
「人と生き物が集まる明るい森」をテーマとしており、テーブルやベンチ、水飲み場、散策路などが設置される。また、「蝶の集まる原っぱ」「カブトムシの森」(仮称)エリアも計画。蝶が好むキハダやエノキ、樹液が蝶とカブトムシの餌となるクヌギやコナラなどの植樹が予定されている。
不法投棄絶えない森
今は手入れされた森となっているが、4年前までは木々が腐り、荒れ果てた森だった。「はじめに見たときは驚いた」と本谷会長は当時を振り返る。さらに森の前にはドブ川が流れていて、悪臭や虫が発生するなどの問題も。そこで、同自治会の老人会「朋遊会」では川をきれいにしようと、草刈りをするところから自主的に活動を始めた。そして区に掛け合い、遊歩道に整備することが決まった。
自治会内には大きな公園がなく、遊び場も少ないことから「遊歩道が遊び場になれば」とメンバーらは考えていたが、目の前にある荒れた森の影響で人通りは少なかったという。
本谷会長は土地の所有者と交渉を重ね、森の手入れをする了承を得た。腐った木の間伐作業をした後に出てきたのは、不法投棄されたゴミの数々。洗濯機や冷蔵庫などの家電から自転車やオートバイ。その量はトラック10台分に上った。
自主活動が奏功
旭区でも地域の声を受け、横浜市に整備の要望を出していたが、同自治会が属するさちが丘小学校区には公園が充足していることから、なかなか実現しなかった。しかし、地域では自主的に活動が続けられ、参加者も増えていった。その努力が実り、南希の森緑地整備計画として進められることに。本谷会長は「できるところまで地域で取り組んだ。何でも行政にお願いするのではなく、自分たちで結果を見せることも大切」と話す。活動に積極的に参加する油井進さんは「『住宅地の緑地保存』という考えを基に動いてきた。自分たちで作った森なら大切にできるはず」と今後に期待を込める。油井さんは、整備後に設立される公園愛護会の会長を務める予定だ。
今年からはさちが丘小や善部小の児童らの課外学習の場としても活用されるようになった。尽力したメンバーらは「子どもから高齢者までが集える場所になれば」と願う。
区担当者は「地域の方々の努力が実った非常に良い取り組み。地域の憩いの場として末永く使ってほしい」と話している。
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