旭区南希望が丘在住の前世界ボクシング協会(WBA)ミニマム級王者、八重樫東(あきら)選手(29)が1月5日、東京・後楽園ホールで再起第1戦を迎える。前WBA・WBC世界ミニマム級統一王者、井岡一翔(かずと)選手との死闘から半年余。世界タイトル戦への再挑戦に向け、敗戦をバネに新たな一歩を踏み出す。
15勝(8KO)3敗の戦績で迎える相手は、アジア王者、サンムアンローイ・ゴーキャットジム(タイ)。「前に出て力で押してくるタイプ。KOするイメージはあるので、チャンスをうかがって勝負をかけたい」
これまでのミニマム級(約48kg)を上回る契約体重50kgは、自己最重量。「今回はいろんなケースを想定した動きが必要。試合中に戦い方やプランを変更していく」幅広い階級への挑戦を見据えた、テストマッチの位置づけになる。
「(王座統一戦以降)注目度は上がっている。今回の相手とは打ち合いになるだろうが、打たせないで勝つ」と分析する、所属する大橋ボクシングジム=神奈川区=の大橋秀行会長(47)。「チャンスがあれば、4月ごろにも世界戦を狙える」と展望を話す。
「適応力」高める
来月2月に30歳になるが、「もっと年上で活躍している選手もいる。これからまだ上を狙っていける」ときっぱり。年齢的に成熟期を迎え、目指すスタイルは「臨機応変に考えるボクシング」。相手に合わせていくのではなく、いま何をやるべきか、最善の選択ができるよう実戦で感覚を磨きたいという。「(これが)歳をとっていても勝てる要素になるし、身体的にも必要。より確実に相手を仕留める武器になる」
20代半ばごろから、練習内容や意識も変化してきた。例えば、若いころ3時間がむしゃらにやっていた練習は、効率重視で2時間に凝縮。「試合日から逆算して、いま必要なことを着実にやる。中途半端や無駄なものは切っていく」
昨年春からは、フィジカル(肉体能力)トレーナー土居進氏=東京都=のもとで筋力トレーニングを重ねている。体に負荷をかけて乳酸をためることを繰り返し、乳酸への耐性をつけるというもの。「乳酸はたまりすぎると体が動かなくなるが、うまく循環させると体のエネルギーに変わり、スタミナにつながる。めちゃくちゃきついけれど、試合に勝つためだから我慢できる」。確かな手応えと自信を胸に、本番に臨む。
出身は岩手県。第二の故郷という旭区では、「この前の試合よかったよ」と街中で声をかけられる機会も増えた。「井岡さんとはまた対戦できれば」。再戦を望む声は、地元でも聞かれる。
今は目の前の一戦に向け、集中力を高める。「たくさんの応援に感謝している。試合で恩返ししたい」
当日は午後1時から試合開始で、同ジムの井上尚弥ら他選手も出場する。TBSでテレビ中継予定。
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