創業5周年を迎えた、雑貨店「Woo-By」の代表 野村 美由紀さん 柏町在住 30歳
思いを汲んで 形づくる
○…「Woo―By」を柏町にオープンしたのは26歳のころ。娘もまだ1歳に満たなかった。そんな時期ではあったが「起業するということは自分にとってそんな大それたことじゃなかった」とあっけらかんと話す。その理由は祖父母、両親ともに自営業という家庭環境にもある。「だから自分も大きくなったら何かのお店屋さんになるんだと、漠然と思ってた」。あくまでも自然体で、当時を振り返る。
○…今の自分に最も影響を与えたのは、全身不随で言語障害もあった祖父の存在。「何を言いたいのか、ちゃんと向き合わなければわからなかった」。支えていた両親の姿と自身の体験から、人がどんなことで困っているかを知ろうとする姿勢が自然と身についた。育児等に多忙で、手芸の技術を持ちながら趣味にとどめてしまっている多くの「ママ友」と向き合う中で、その作品を商品にする場をつくりたい思いが芽生えた。そして、多くの母親に日常の育児が楽しくなるような物を使ってもらいたいという思い。2つの思いをつなぐのが、お店の意義だ。
○…現在、商品の作家は約100人だが、納期は定めていないという。育児中の作家が多いため、納期を決めることで子育てにしわ寄せがいってしまわないようにとの配慮からだ。「でも、そうやって働きやすい環境を整えてあげると、皆さん頑張って仕事で返してくれる。いつでもいい、と言っても間に合わせてくれるんですよ」。一方で、商品の安全性については厳しい審査を欠かさず、クレームはこれまで一度もない。
○…娘は5歳になり、1歳4カ月になる息子もいる。わずかな時間を惜しんで仕事と向き合っているため、子どもと接する時間も限られている。「だからこそ、時間以外の『満足感』だけはちゃんと子どもに残したい。親があれこれ頑張っている姿を見せることが大事なんじゃないかな」。子どもの視線を感じながら、笑顔を忘れず元気をふりまく。
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