1897(明治30)年に開校し、長年の歴史をもつ希望ヶ丘高校。創部100年を超える柔道部は休部、廃部を経て3年前に愛好会として再スタートを切った。同好会に格上げされた今年度、目指すのは部として活動するために必要な部員5人の確保だ。
2年生2人、1年生1人の女子部員3人と顧問2人で活動し、団体戦での初勝利を目指す柔道同好会。主将の小宮千佳さん(2年)は「少しずつ勝てるようになってきた。次は気持ちの良い一本勝ちを決めたい」と意気込む。宮崎まいさん(2年)は「全然勝てなくて嫌になるときもあるけど、仲間が応援してくれたからやってこられた」と部の雰囲気を話す。
1999年に部員がゼロになったことで柔道部は休部に。11年間柔道部のない状態が続いていたが、2010年に女子部員2人で柔道「愛好会」としての復活を遂げた。当時は練習場所がなく、畳の上ではなく屋外で練習していた。雨の日には駐輪場の屋根の下を使っていたことも。「寝技や受け身の練習ができない状況で、試合には勝てないですよ」と顧問の池田滋教諭(46)は振り返る。
それでも2人は、昨年夏の最後の大会でそれぞれ1勝をあげることができた。「みんなで泣いて喜んだ。こういう仲間作りが部活の醍醐味」と池田教諭は話す。
OB・OG会縁の下で支え
もともと同校柔道部にOB・OG会はなく、休部を知ったOBらが部の復活を目的に、2001年に「神中・神高・希高柔道部旧交会」を創設した。会員は約300人にのぼる。
同会の三橋英夫会長(68)は「柔道にはまず畳が必要」と、休部以来積まれたままになっていた畳の手入れから活動を始めた。
学校見学に訪れた中学生や新入生に対しては、ビラ配りや演武の披露などでPRも。「生徒が部員募集している中で、柔道部だけOBらが参加していたから、異様な雰囲気だったのかも」と三橋会長は振り返る。
予算の少ない同好会の力になればと、現在は試合着や投げ込みマットなどを寄付して資金面の支援を続ける。現役で柔道を続けているOBらは、部員に稽古をつけるため同校に足を運ぶなど、技術面でもサポートしている。
1911年の創部から100年を超えたのを機に、同会は今年1月、記念誌を発行した。三橋会長は「柔道を通じて、子どもたちに体力や礼儀を身につけてもらえたら」と母校の柔道部の発展を願う。
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