精神障害者支援を目指し、2011年に有志ボランティアが開設した二俣川ハウス=中沢=では、民家を借りて一時宿泊の場として提供している。精神障害者が特に不安を感じやすい夜間の支援体制を強化するなど、市民ボランティアならではの柔軟な受け入れ態勢が特徴だ。
開設当時から開催している二俣川ハウスの「生き活きふれあいバザー」は、5月24日に10回目を迎えた。買い物に訪れた万騎が原在住の女性、長谷川さんは「面白い物が安く見つけられるので毎回楽しみ。買い物が支援につながるなら、協力したい」と笑顔を見せた。バザー1回あたりの売上は約3万円。地域住民との交流だけでなく、貴重な財源にもなっている。
二俣川ハウスは住宅街にある2階建て7部屋ほどの一戸建で、11人の運営委員会(吉田和子委員長)が中心となり、主に一時宿泊の場として活用している。
ハウスを立ち上げた吉田委員長(74)は30年来、NPO法人「木々の会」(宇田達夫理事長)が運営する地域活動支援センター「むくどりの家」=白根=など旭区内で精神障害者の支援ボランティアとして活動してきた。その中で精神障害者に対する夜間支援の必要性を強く感じたという。「精神に病を持つ人たちは特に夜間、不安な気持ちになることも多い。だからこそ気軽に泊まれる場所をつくりたかった」と振り返る。
柔軟対応めざす
旭区内には精神障害者支援のための一時宿泊施設として、医療法人誠心会の「ヴィラあさひの丘」=川井本町=やNPO法人「共に歩む市民の会」の「ほっとぽっと」=鶴ヶ峰=などがある。しかし、公的な障害福祉サービスは申請や障害認定の手続きに1カ月ほど要し、急な利用者には対応しにくい側面も。宿泊目的ではない施設の場合は、利用日に制限があるという。
二俣川ハウスでは早ければ申し込みから2、3日で宿泊が可能だという。365日対応できるようにしており、12年度には13人92泊の利用があった。スタッフが一緒に宿泊して話し相手にもなっており、利用者からは「久しぶりにゆっくり眠れた」という声も聞かれる。吉田委員長は「専門家がいるわけではないけど、その分を対応の柔軟さでカバーしていきたい」と意気込む。
旭区高齢・障害支援課の担当者は「地域のボランティアと公共サービスが協力し、双方の組み合わせで地域全体の支援環境を厚くしていければ」と話した。
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