神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
旭区版 掲載号:2014年5月29日号 エリアトップへ

いじめと向き合う(下) 「違い」受容する環境を

掲載号:2014年5月29日号

  • LINE
  • hatena

 生まれつき脳機能の一部に障害がある「発達障害」。学習の遅れやコミュニケーションの取り方など周囲との「違い」に理解を得られず、いじめにつながるケースもある。文部科学省が2012年に実施した調査によると、全国の公立小中学校の通常学級に在籍する児童生徒のうち、発達障害の可能性がある小中学生は6・5%に上る。

 「ここ10年間に通常学級の授業についていけない子どもが増えている」と話すのは港北区にあるフリースクール「楠の木学園」の神田誠一郎学園長。同学園は在籍生徒の半数に発達障害があり、中にはいじめが原因で不登校になり、転校してきた児童もいるという。同じ悩みを持つ仲間とともに「自分のペースでできることをやる、安心の場になれば」と神田学園長は話す。



 発達障害のある高校1年生のOさん=市内在住=は通常学級に通っていた中学1年生の時、些細な会話のずれからクラスメートに体操着や教科書を隠されるようになった。学校に行きたくても怖くて行けない状態が続く一方でOさんの母親は「学校側の対応は曖昧なものだった」と言い、さらにその後も続くいじめに「(学校側が)加害者にどう指導したのか分からない」と話す。息子の卒業時までPTA役員を務め、現状を訴えた。2、3年時はいじめから守ってくれる同級生に救われたが「本来なら教師に率先して助けてもらいたかった」と述懐する。

 同じく発達障害で個別支援級に通っていた高校2年生のSさん=市内在住=も、いじめを受けた1人だ。小学5年生の時、同級生から言葉の暴力を浴びた。「障害やいじめに対して学校全体が同じ思いでいないと、一向にいじめは解決には進まない」とSさんの母親は語気を強める。

 横浜市立の各校で策定したいじめ防止基本方針について2人の母親は評価しつつも、「こういうものがなくてもいじめの対処ができる環境づくりを」と現場への要望を口にする。一方、学校に全てを委ねるのではなく「第三者機関と学校が協力していけば、子ども一人ひとりと向き合う時間が増えるのでは」と各機関の連携に期待も寄せている。(了)

旭区・瀬谷区版のローカルニュース最新6

市歴史博物館にマルチシアターが登場

市歴史博物館にマルチシアターが登場

4月29日、改装した歴史劇場の再オープンで

4月24日

戦後の横浜 写真資料でたどるサイト

戦後の横浜 写真資料でたどるサイト

4月27日から都市発展記念館が公開

4月24日

「プリンスアイスワールド」が市内カフェとコラボ

「プリンスアイスワールド」が市内カフェとコラボ

5月12日までスケーター推薦のグルメを味わえる

4月24日

日本最大級のシネマフェス みなとみらいで人気作品を野外上映

日本最大級のシネマフェス みなとみらいで人気作品を野外上映

4月30日〜5月6日、「SEASIDE CINEMA 2024」

4月24日

横浜市へのふるさと納税でJR運転士・車掌体験

横浜市へのふるさと納税でJR運転士・車掌体験

寄付5万円、仕事体験ツアー

4月23日

脱炭素化、気候変動対策を考えるワークショップ

脱炭素化、気候変動対策を考えるワークショップ

5月29、30日 パシフィコ横浜とオンラインで

4月23日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月18日0:00更新

  • 4月4日0:00更新

  • 7月20日0:00更新

旭区・瀬谷区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

旭区・瀬谷区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月24日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook