4月26日の希望が丘商店会フェスティバルで女川産のサンマ千匹を無料提供する 大川 貴志さん 今宿在住 36歳
サンマ焼き、思いを馳せる
○…東日本大震災の被害を受けた宮城県女川町からサンマを買い取り、横浜で提供する「愛と勇気とさんま実行委員会」の発起人。2011年から市内のイベントに参加し、回数は300を超えた。希望が丘商店会フェスティバルへの参加は、今年で3回目。「毎年多くの人が集まってくれる。今後も定着させたい」。サンマの油の弾ける音に、食欲をそそるにおい。今年も列をなす姿が目に浮かぶ。
○…横浜市中央卸売市場南部市場の共栄会が中心となり活動する同実行委員会。「震災を目の当たりにして、市場の仲間と『何かやりたい』って考えていたんです。当時は共通の課題でした」。そんな思いから、市場の強みである「物流」を生かし、被災地からサンマを仕入れるという支援を開始。サンマは無料提供だが、支援金を募る。「支援金が集まらなくなったら終わりだと思ってた。でも今でも集まっている。そのおかげで継続できています」と感謝する。
○…本職は福祉。障害者の日中活動を支援する施設の施設長を務める。現在は旭区と保土ケ谷区の4施設を統括して、就労の場をつくっている。その中の一つの、発砲スチロールのリサイクルなどを行う事業所の仕事の関係で、南部市場ともつながりが生まれた。「今の福祉は『サービス』としては充実している。でも、施設の中で終わってしまっている部分もある。社会参加できているかは疑問に感じる」。企業・福祉・地域が連携して、仕事を生み出す場をつくることを常に念頭に掲げる。
○…毎週土日は、ほぼサンマ焼き。3人の子どもたちは父親を「魚屋さん」だと思っているそう。最近では活動を周囲から褒められることも多いという。でも、「バカにされるくらいがちょうどいい」と抵抗。「アホな大人が集まって、まじめにサンマ焼いてるのって面白いじゃないですか」と笑う。サンマを焼く度に、被災地を思う。楽しみながら、「今できること」を続ける。
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