神奈川県水墨画美術展実行委員会の実行委員長を務める 吉原妻杞(つまこ)さん 今宿西町在住 77歳
感謝の心で筆を執る
○…「誰かに絵を認めてもらうことは嬉しいこと。地元で絵を描いている人の励みになるように」と3年前に神奈川県水墨画美術展実行委員会を自ら設立した。「満足のいく絵が描けた時の嬉しさは言葉にできない」と満面の笑みを見せる。今回で第3回を迎える同展には、広島や金沢など県外から出品される作品も多いという。「美術展が画家の皆さん同士の良い交流の場になれば」と同展の開催に意欲を見せる。
○…水墨画を描き始めたのは60歳を過ぎてから。以前は登山に夢中になっていたが、ある時、急な坂道で足を滑らして半月板を痛めてしまった。「脚を悪くして山に登れなくなってから、何かしようと始めたのが水墨画でした」。それまでの書道の経験を生かし、「同じ筆と墨で今度は絵を描いてみたい」と気軽に始めた。最初は近所の水墨画教室に通って腕を磨いていたが、今では今宿西地域ケアプラザをはじめ4つの水墨画教室の講師を務める。
○…福岡県の生まれ。機械の設計士である夫とは、夫が出張で福岡を訪れた時に出会った。その後、結婚を機に旭区へ移り住む。「福岡に比べて食べ物の味付けが濃く、最初は慣れずに苦労した」と笑いながら当時を懐かしむ。しかし、「人は温かいし、友達もたくさんできた。住めば都です」と今の旭区での生活を幸せそうに話す。
○…毎日活発な活動ができる裏には、家族の支えがある。同展の開催準備にあたっては、夫が案内状などをパソコンで作ってくれた。「主人がいなかったら、美術展はできない。感謝しています」。福岡に住む長女も母の影響を受けて水墨画を始めた。「娘も毎年美術展の手伝いをしてくれます」と話す表情は嬉しそう。同展では自らの雅号から名付けた個展、「瑞傍(ずいほう)展」を同時開催する。「絵というものは、楽しく描かなければならない」。尽きることのない創作意欲をこれからも筆に込め続ける。
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