横浜市は現在、旭区と瀬谷区に跨る旧上瀬谷通信施設を会場に、最短2026年の「国際園芸博覧会」(花博)開催を目指している。今月2日には、有識者らが集まる第5回招致検討委員会が中区で開かれ、理念や事業展開、輸送計画、開催経費などを盛り込んだ基本構想素案が示された。市では委員の意見を反映した素案を改めて策定して、市民からの意見を募る考えだ。
旧上瀬谷通信施設は、広さ約242ヘクタールに及ぶ、広大で平坦な土地。基本構想素案では、同施設跡地を都市と自然環境が共存する市郊外部再生のモデル地区と位置付け花博開催に向けて整備し、周辺地域の振興を牽引するとした。また、2年前に米軍から返還された基地跡地を活用することで、国際平和や友好も発信する狙い。
開催時期は最短で2026年4月から半年間。跡地の約45%を占める国有地を中心に、80〜100ヘクタールの会場を確保する計画。1500万人以上の入場者を想定している。開催経費の試算額は、会場建設と運営費用合わせて最大600億円ほど。
計画策定後、輸送手段を検討
跡地周辺には、東名高速道路の横浜町田IC(インターチェンジ)や保土ケ谷バイパスの上川井ICがある。一方で、会場にアクセス可能な公共交通機関が無く渋滞が懸念されている。
2日に示された素案では、近隣駅からのシャトルバス運行や会場までのウォーキングルート設置などで、自家用車での来場者を抑制するとしている。新たな交通手段確保やアクセス道路改善も検討するとしているが、跡地全体の利用基本計画が決まっていないこともあり、具体的な輸送計画は定まっていない。
今後は、民有地の地権者と協議している跡地利用基本計画が固まり次第、輸送手段を具体的に検討していくという。
12月から市民意見募集
花博実現に向けては、開催主体である国が、認証機関の国際園芸家協会などに申請する必要がある。市は今月10日、今回の委員会の結果を反映した基本構想(素案)について、説明会と意見募集を行うことを公表。区内での説明会は12月22日(金)、旭区役所新館2階大会議室で実施。開催時間は午後6時から7時まで。事前申し込み不要。先着100人。また、意見募集は12月20日(水)から来年1月19日まで実施。市は来年2月頃には基本構想案をまとめ、その後、国に招致を働きかける計画だ。
基本構想(素案)は12月20日から、区役所広報相談係や区PRボックス(図書館・主要駅ほか)などで配布。市政策局政策課HP(http://www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/seisaku/engeihaku/shouchikentou.html)でも公開される。
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