旭区版
最新号:2012年5月17日号

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紙芝居のボランティア活動を行っている “窮窮自適”の幸せ
渡辺 利雄さん
本宿町在住 60歳
11月 8日号

 ○…「むかーし、むかし…」と懐かしい言葉で語り始める。愛称は「紙芝居のおじさん・としょくん」。旭区や川崎市の学童、老人ホームで「昔懐かしい街頭紙芝居」のボランティア活動を行っている。10月にはこども自然公園で「大池紙芝居ライブ」を始めたばかりだ。「子どもからお年寄りの方まで多くの人が楽しんでくれた」と微笑む。

 ○…紙芝居を始めたのは定年退職した今年の6月から。栃木県で生まれ育ち、OA機器メーカーへの就職をきっかけに上京。結婚後に旭区に住むようになった。「ものづくり」にやりがいを感じ、会社では設計の現場や開発プロセスをチェックする立場に。「定年後も働こうか迷っていたけど、ふと『俺の人生これでいいのかなあ』と思った」。これまでを振り返ると仕事に追われる日々が浮かび、一番好きなことが何か思い当たらない。そこで一つずつ好きなことを考えていった。「子どもと遊ぶこと、漫画やデザインを描くこと、お笑い、演劇…」。そして「紙芝居」にたどり着いた。経済的な問題も心配になったが、計算すると80歳までは続けられる。「まさに『窮窮自適』。生活は贅沢できなくても、残りの人生を心から楽しみたい」。そう思った瞬間、迷いは消えた。

 ○…「今の生活は120%満足。妻からは、仕事していた時より忙しいって怒られるくらい」と笑う。昔話や民話を元に紙芝居を一から作る。一作品を仕上げるのに費やす時間は約2週間。絵は妻が担当する。妻との二人三脚でよりいっそう楽しくなる。そしてボランティアをする喜びを知った。「自分が楽しんでいることを、他の人にも喜んでもらえる。心から『ありがとう』と言いたい」。

 ○…夢は80歳まで続けること。「何が起きるか分からないけど、今紙芝居を聞いてくれる子どもたちが親になった時、その子どもたちに伝えてくれるよう続けていきたい」。温かく穏やかな表情が語った。




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