3月11日に起きた大地震。瀬谷区内では住民が避難所に避難するケースには至らなかったが、災害時にスムーズに避難し安否確認を行うために、自治会単位で各世帯の家族構成などを記したカードを活用する取り組みがある。
阿久和北部地区の谷戸自治会(阿久和東1・2丁目)では3月11日の地震発生直後、自治会の組長が10世帯程度からなる各組の地域を見回ったほか、民生委員が一人暮らしの高齢者に電話などで安否確認を行った。
同自治会では4年ほど前から、災害時に備えて隣近所の状況を把握するための「おとなり場カード」を作成している。各世帯の家族構成や在宅時間、高齢者や幼児がいるかどうか、避難時に援助が必要かどうかなどを明記したもので、組ごとに組長が「おとなり場リーダー」となって管理している。このカードの情報を基に、災害時の安否確認や救助、避難する際の助け合いを行っていこうというものだ。「おとなり場カード」の回収率はほぼ100%。「個人情報保護の点で苦労することもあったが、試行錯誤してこの形になった」と同自治会事務局の清水靖枝さん。「10世帯程度という目の行き届く範囲で助け合うシステムなので、カード提出にも協力してもらいやすい」という。「災害時に限ったことではなく、普段から隣近所を思いやり、見守り合う意識づくりにもなる」と清水さんは話す。
細谷戸でも実践
県営細谷戸団地の第七自治会でも、同様の調査票を各世帯に配布している。同自治会は164世帯約300人からなり、そのうち約100人が70歳以上。災害時に援助が必要な人も多く、そうした人を自治会内で連携して支えるシステムが必要だ。同自治会では避難時のために各世帯に、家族構成や障害の有無、緊急連絡先などを明記するカードを配布、個人情報を避難時に参考にすることについて同意を得た上で、自治会長が管理している。回収率は約80%。同自治会の大坪陸男会長は「今は自治会名簿を作るのにも個人情報保護の点で難しい。災害時に助け合うためには、普段から隣近所でそれぞれの状況を共有できる仲になることが大切だと思う」と話した。
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