横浜・八景島シーパラダイスにオープンする「うみファーム」のリーダー 蓑内(みのうち)真吾さん 金沢区在住 41歳
「海のすべて見せたい」
○…横浜・八景島シーパラダイスにオープンする新施設「うみファーム」のリーダー。丸2年、先頭で引っ張ってきた。「はじめモーセのように海を割りたいという意見も出て。それならアクリル板を使おう、排水はどうするって本気で考えましたよ」と懐かしむ。夢のような意見とも真剣に向き合った。自然の海をそのまま見せようと、会議や調査を重ね、食育・環境改善・海のアトラクションを盛り込んだ施設が完成。「ほっとした」と胸をなで下ろす。
○…故郷は海のない奈良県。ザリガニ釣りに熱中した少年はやがて水生生物に魅了されていく。一人で水族館を巡り、閉館まで水槽に見入っていたのは中学の時。「魚って同じ動きをしない。なんでそんな行動するのっていうのが面白かった」。迷わず選んだのが北海道大学・水産学部。修士を終え「生き物と人の架け橋になりたい」とシーパラダイスの飼育技師になった。
○…初めて企画から関わったのはイルカをテーマにした水族館。イルカと魚の同居展示は初めての試みだった。「手探りだった。魚が食べられてしまう問題と、イルカが水を汚して魚が死んでしまう問題を解決しなければならなかった」。魚の隠れ場を作り、水を綺麗にするろ過砂で対応。オープン初日、頭上を泳ぐイルカに湧く来場者の姿が瞼の裏に焼き付いている。「できないとは言わない」―諦めない姿勢を学んだ。1番好きな生物にイルカを挙げる。「人と同じで笑わせてくれる人が好き。同じことをしたら、それさっきしましたって飽きるんです。奥が深いなって」と目を輝かせる。
○…休日に3人の子どもと平潟湾でハゼ釣りをするなど、常に海と共にある。夢を聞くと「海のすべてを見せること」と力強く回答。「プランクトンから大型魚類まで、うみファームで種類が増えていけば良いなぁ。ここで生まれた魚が外に出て、漁師さんに獲られても良いしね。それが海の働き」。探求心は広がっていく。
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