神奈川県少林寺拳法連盟理事長に就任した 小川 肇さん 下瀬谷在住 69歳
人生は慈悲と理智
○…4月1日付で神奈川県少林寺拳法連盟理事長に就任。23歳の時に川崎で少林寺の試合を観て、「この人たちと仲間になりたいと思った。ピンときて入門を決めた」と笑顔で語る。道場破りの勢いで他道場の練習に参加するなどし、以来40年以上携わってきた。29年前からは少林寺の武道専門学校の本部教員も務めている。全国35地区、北は北海道、南は九州・鹿児島まで4、5年かけて回っている。少林寺拳法と合わせて続けているのはベンチプレス。やり過ぎで体を痛めた時もあったが、今でもトレーニングは欠かさない。
○…10数年前、総本部の催しのため香川へ頻繁に足を運んでいた。ある日、寝台列車に乗るため横浜行の相鉄線に乗車していた。車内で列車の発車時刻が変更になっていたことに気付きハッとした。「列車に乗らなければ翌日行われる発表に間に合わない…」。車掌にそれを伝えると、横浜駅に2分早く到着するよう運転してくれ、何とか間に合うことが出来た。「この時は本当に感動した。人間の慈悲だね」と、当時を鮮明に振り返りながら柔らかい表情で語る。
○…少林寺の精神は自己確立であり自他共楽。自分のためだけではなく、相手の立場に立って物事を考えられる人を目指す。自らも仏教における六波羅蜜を大事にし、阿羅漢を目指している。「目先のことが出来ない奴は大きな事も出来ない」と思いを語る。
○…「人間社会には理智だけでなく慈悲があっていいじゃないか」。理智は学べるが、慈悲は日々の暮らしの中で培っていくもの。「例えば落ちている空き缶を拾うみたいに、小さいことからやることが大切。それが人間の基本だからね」。形を整えれば心も整うとし、その最低限の基本を大切にしている。座右の銘は慈悲と理智の調和。線引きのないこの問題に、「永遠のテーマだね」と語るとともに、慈悲を持った人を育てていきたいと熱く語った。
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