阿久和向原第二公園で6月9日、『見守りの家』完成を祝うオープニングイベントが開かれた。これは、地域で見守り合う拠点が必要との声をきっかけに3年前から取り組んできたもの。建設は地域住民の手で行われた。
晴天に恵まれた中行われた同イベント。薬師寺えり子区長を始め、実現に向けて協力した人びとが来賓として多数参加。ファンファーレの音に合わせ除幕式が行われ、会場は大きな拍手に包まれた。こけら落としとして横浜隼人中・高吹奏楽部による「川の流れのように」など数曲の演奏に、アンコールの声が上がる盛り上がりを見せていた。公園ではあんみつや綿菓子などが出店し、多くの人が集まった。
完成までの道のりは決して平たんなものではなかった。式典では企画から建物の完成に至るまでの苦労話が。資金面では、市民が主体となった整備の支援を行う『ヨコハマ市民まち普請事業』へ2011年度に応募。選考を通過し、整備助成金の交付を受けたことなどが披露された。さらに、福祉の要素を含んだ拠点を公園に作ることは横浜市初となり前例がないため、地域と行政とで毎月話し合いを重ね、昨年9月にようやく建設許可が下りた。今後は新しい事例として積極的にアピールしていく考えだ。また、「普段活動を見ていない人たちに伝えることが難しかった」という声もあった。
土台の基礎工事を除き、家の建設作業は全て地域住民の手によって作られたため、携わった皆の拠点である意識が強い。ログハウスのキットは北欧フィンランドからの輸入品というこだわりも。「天井板の三角部分が難しかった」。「ただ、ケガも無く無事に出来上がってよかった」という声も上がった。
阿久和北部地区社会福祉協議会の清水靖枝会長は、「この家が皆の心と手を繋いでいければ。自分の家のように気軽に来てください」と呼びかけた。多くの人の汗がしみ込んで作られた見守りの家は、完成に至るまでに関わった人の想いがたくさん詰まっている。これから地元住民の交流の場として活用され、利用者の想いを詰める。いざとなった時に手を差し伸べられる、地域社会の理想の形を目指していく。日中はボランティアが常駐し、人が集う『きっかけ』を地域に届ける。
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