9月5日付けで瀬谷警察署長に就任した 佐藤 政宏さん 大磯町出身 52歳
目で見て、歩いて街を知る
○…「熱意・誠意・創意の3意で取り組んでもらいたい」。前任地の川崎区を経て初の署長職。152人と決して大きくはない瀬谷署だからこそ、全体が一丸となった動きが必要だと、訓示で署員に語りかけた。「住民と行政がうまく連携していて、地域の意見がよく反映されていると感じる」と横浜市の印象を話し、今後に向け気を引き締める。
〇…大磯町出身。すぐ近くに海があり、のびのびと育った少年時代。「友だちと遊び回って、怒られることもよくあったね」と苦笑する。野球に夢中だった中高時代、進路を考えたときに警察官の姿がよぎった。そこには少なからず反骨精神も。「年が離れた兄2人は教師と会社員。後を追おうとは思わなかった」。自分だけの道を進もうと18歳で神奈川県警へ。最初の赴任地・港北署では、大倉山の商店街で深夜に検問を担当し、治安維持に目を光らせた。「自分より年上の人に接することも多く、警察官の制服の重みを実感した」と振り返る。
〇…機動隊に配属された22歳頃、日航機の墜落事故を目の当たりにした。「その日のうちに連絡があり、全部で3回派遣された。朝3時半に出発し、道がない山を進むから到着には6〜7時間ほど。熊笹をなぎ倒しながら必死に進んで行った」と克明に語り、「こんな風になってしまうのか」と思わず息を飲んだ現場の様子は、未だはっきりと記憶に残る。その後、大和署や津久井署を経て本部へ。立ち上がったばかりのストーカー対策室で、県内初となる被害者支援センターの土台作りに奔走した。
〇…現在は自宅のある相模原市から離れ、官舎で「単身赴任」生活。数年前まで県内各地のハーフマラソンに積極的に参加してきたといい、早く管内を知ろうと街中を走るのが日課だ。「自分の目で確かめることが大事。次はここへ行ってみようか」。大きな地図へ向ける視線に、瀬谷の街を見守る心強さを垣間見た。
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