ひきこもり支援相談士として、12月21日の市民フォーラムでトークセッションに参加する 中辻 正純さん 東野在住 58歳
縁を紡ぎ、人に寄り添う
○…「若い人たちが、そのままの自分で生きられるようになってほしい。そうすれば見える景色も変わるはず」。穏やかな表情ながら、言葉の端々に強い思いが表れる。12月21日開催の市民フォーラム「ありのままでいいじゃん、10代!」で、レターカウンセラーの八巻香織さんらと若者支援の現場を語り合う。「瀬谷でこういう場に立つのは初めて。若い人たちに聞いてもらえたら」と目を細めた。
〇…「学校はそれほど好きではなかった」という学生時代。自動車工場やスーパー等のアルバイトを通して実社会の仕組みを学んだ。「若いうちにいろんな経験をして、たくさん失敗すること。意外と側で誰かがフォローしてくれているもの」。高校卒業後、海上自衛隊に入隊。乗船することもあったが、教育隊や航空機整備の教官等、指導側に立つ機会が徐々に増えた。
〇…厚木基地に異動後、第4整備補給隊の先任伍長として部隊をまとめることに。当時、飲酒運転など服務事故を起こして処分を受けた隊員に対し、メンタル面のフォローは特になかったという。指揮官と直接話すことができ、隊員たちの声を届けやすい立場を生かし、「彼らの話を聞きたい」との思いで聞き役を引き受けた。大学、高校と話が遡って行き着くのは約8割が親子関係の問題。「親が子どもとの接し方が分からないと、子どもも同じことを繰り返してしまう」。知識を深めるため産業カウンセラーを猛勉強。ひきこもり支援士の資格も取得した。「あの人なら、と思ってもらわないと。信頼関係が大事」と人に寄り添う。
〇…来年3月の横浜マラソンに向けジム通いの日々。「運動は嫌い」と笑いつつ、「現役時代より体力がついた」と充実した表情。「これからは貰った縁を形にして返したい」。自衛隊退職後、平日は会社員として働く傍ら、ひきこもり相談や東日本大震災支援など多方面で活動中。今を見つめながら、着実に歩を進める。
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