交通安全国民運動中央大会で緑十字金章を受章した 大野 勝市さん 二ツ橋町在住 83歳
「体が動く限り続けるよ」
○…先月、日比谷公会堂で行われた第56回交通安全国民運動中央大会で、交通安全功労者に贈られる最も栄誉ある章「緑十字金章」を受章した。瀬谷交通安全協会に入会して30年以上。連絡があった時には「えっ、本当に?」と思わず口にしてしまったそう。照れ臭そうな顔をしながら「なかなかいただけないものらしいので嬉しかった」と語った。
○…瀬谷生まれの瀬谷育ち。父が宮大工だったので「自然に父の仕事を継いでいた」。18歳で始めた宮大工。21歳の時にはもう父の代わりに棟梁を務めていた。「その頃には弟子もいてね。住み込みの職人もいたから家は12人位の大所帯で」と当時を懐かしむ。二ツ橋の最勝寺や神明社、相沢の諏訪神社など、手掛けた建物は区内だけでも数え切れない。「好きな仕事。大変だったけど楽しかったね」。
○…「建築関係の人はみんな入ってたから」と軽い気持ちで消防団に入団したのが地域参加への始まりだった。約30年間務めた消防団では分団長を務めたことも。その後、先輩に勧められて瀬谷交通安全協会に入会。二ツ橋支部の立ち上げにも携わった。交通安全のイベントや教室のほか、小学生の通学時には雨の日も雪の日も信号の下に立った。「小さかった子がいつの間にか大人になってね。そういう姿を見られて楽しい」。最近は「家族に心配だと止められて」と通学路に立つ回数も減った。それでも「章を貰ったし辞められない。体が動く限り続けていくよ」と元気に笑った。
○…大の盆栽好き。家には1000鉢以上の小品盆栽が並ぶ。「暇があれば触ってる」と目を細める。盆栽を育て続けて60年近く経つ。毎日水遣りが欠かせない盆栽。出先から「水くれたかー」と家に電話をかけることもしばしば。奥さん曰く「仕事と盆栽に明け暮れていた」。共に歩んできた奥さんとは今年結婚60年。「何だか恥ずかしいよ」と笑った顔に感謝の思いが滲んでいるように見えた。
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