4月14日に発生し震度7の激しい揺れを記録した「熊本地震」から約半年が過ぎた。発生直後から熊本への支援を続ける瀬谷第二小学校(高野令子校長)には今、熊本の子どもたちから感謝の声が続々と届いている──。
◇ ◇ ◇
地震発生から約1カ月後の5月10日、4年生の有志ら約30人を中心に校門前で募金活動を行った同校。3日間にわたり、熊本県のキャラクター・くまモンのポスターや募金箱を手に「お願いします!」と元気な声で募金を呼びかけた。
5年生の児童は熊本の子どもたちを元気づけるため「歌を届けたい」と児童会に提案。すぐ可決され、全校児童で『花は咲く』の歌をCD録音することになった。
「歌を届けたい」と声にしたのは、5年3組(池田孝教諭)の女子児童。児童から最初に相談された池田教諭は「東日本大震災の時には何もできず、何かできないかと考えていた時だった」とその瞬間を思い返す。曲目は東日本大震災後、被災地を勇気づけてきた『花は咲く』に決めた。この歌は同校の50周年イベントでも全校児童で合唱、思い入れのある歌だった。
5月16日、全校児童による歌声がCDに録音された。CDには全校児童を代表して、5年3組の児童が手書きの手紙を添えた。クラス全員、1人3〜4校ずつを担当。熊本の子どもたちを笑顔にしたい、元気になって欲しいという思いを込め「あきらめないで」「元気に頑張って」と励ましの言葉を綴った。CDと手紙は6月中旬に熊本市内の全小学校96校へ郵送した。
◇ ◇ ◇
7月に入ると熊本の小学校から続々と感謝の手紙が届いた。手書きのメッセージには「熊本のたくさんの人が勇気づけられました」「負けません」「僕たちもがんばるので、みんなも頑張って」「歌のおかげで元気になりました」などの感謝の言葉が。反面、「怖かった」「家が傾いた」「不安だった」と地震発生当時の様子や思いを伝える手紙も。中には『花は咲く』や『ふるさと』の歌声をCDに入れた学校、近況を伝える映像をDVDに入れて送ってきた学校もあった。「手紙やCDが届いて嬉しかった」「逆に勇気づけられた」と5年3組の多くの児童が口にする。同クラスでは熊本からの手紙や今までの交流の様子を9月5日、全校児童に劇で発表。届いた手紙は現在、校内の壁いっぱいに貼られ、CDやDVDは誰でも見られるようになっている。
高野校長は「熊本の子たちを励ましたつもりの私たちが、元気をもらえるような気がしました。これからも何かできることを続けていきたい」と話した。
池田教諭は「続けていくことが大事。届いた手紙には熊本の子たちの元気な様子が感じられた。このことも多くの人たちに伝えていきたい」と語った。
同クラスではこの冬、三浦大根を熊本に送ろうと計画、9月26日には種まきが行われた。収穫は約90日後。「みんなで作った大根、喜んでくれるかな」と笑顔で話す児童たち。同校児童と熊本の子どもたちとの交流は今後も続いていく──。
瀬谷区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|