日本中に英国式の遊歩道をはりめぐらせようと、区民らが中心となって2012年に発足した「NPO法人 日本遊歩道協会」。今年で発足5年目となる同協会の代表で、区内で内科クリニックを開く稲葉允さんに創立までの道のりや想い、今後の展望を聞いた。
立ち上げのきっかけは、十数年前。英国の自然保護活動「The National Trust」に興味を持ち、同国を訪ね歩いた稲葉代表と会員・露木重久さんが会食した際、人しか通れない「遊歩道」に話が及んだ。同国の遊歩道は、車も自転車も乗り入れ禁止で、街の周り、森や林や牧場、時には民家の庭を通って200〜400マイルも続く道もある。子どもや老人は毎日数キロを歩き、若者はテントを持ってキャンプしながら旅をする。「新鮮なオゾンをたっぷり吸い、会話を楽しむ。排気ガスに脅かされず、心安らかに身心的・肉体的健康や自然の恩恵を受ける。時には木の下でまどろみ、喫茶店で体を休めながら歩く」――。そんな道を市民の手で日本にも作りたいという想いが、団体発足につながった。
「いつか日本中、全ての街、全ての山から川に沿って海へ遊歩道を作りたいと思っています」と目標を語る稲葉代表。その一環として、2015年に返還された上瀬谷通信施設の跡地周辺に、遊歩道を整備できないか模索しているという。「私たちの夢が実るのは百年先でしょう。今はまだ種まき。次世代の子どもたちの為に、日本中に遊歩道をはりめぐらせる原点になれば」と話す。
問い合わせは、〒246-0014横浜市瀬谷区中央19の5。稲葉内科クリニック内「日本遊歩道協会」まで。または同クリニック【電話】045・303・5616。
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