毎年9月の自殺対策強化月間に合わせて、瀬谷区役所や関係機関などが今月8日、命の大切さや身近な相談先を伝える街頭キャンペーンを瀬谷駅と三ツ境駅で展開した。区役所などは今月下旬にも啓発講演会や、悩みを持つ人を支援するゲートキーパー研修会などを開き、自殺対策を推進していく。
講演会や支援者育成も
瀬谷駅でのキャンペーンには区役所職員、精神障がい者の家族会や支援組織、ギャンブル依存症に悩む人を支える団体など総勢20人ほどが参加した。配布したのは、心に問題を抱えている時の電話相談先や、心身ともに健康に暮らすためのヒントが書かれたパンフレットなど。参加者らは啓発物を駅利用者に手渡しながら、「悩んでいる人がいたら教えてあげて」などと呼びかけた。
このキャンペーンは今年で3年目。今年は、高校生など若い世代にPRするためLEDライト付きボールペンも配った。初めて参加したという精神障がい者家族会「あじさいの会」の会員は、「命を大事にして欲しいという気持ちを込めて活動しました」と振り返った。チラシを受け取った女性は、「心の病で、突発的に自殺してしまう人が多いと聞いている。信頼して相談できる人が身近にいるのが一番だと思います」と、親類や友人などの支えが重要だとした。
「健康問題」が62%
横浜市の自殺者数は2010年(746人)をピークとして減少傾向にある。県警データに基づく2015年分の市分析によると、同年は市全体で514人が自殺で命を落としている。原因・動機については「健康問題」が最も多く全体の62%。次いで「経済・生活問題」(22・6%)、「家庭問題」(20・1%)だった。健康問題では、半数を「うつ病」が占めた。
市では対策として、夜間・休日対応の「こころの電話相談」(【電話】045・662・3522)など各種窓口を設けているほか、啓発イベントなどを実施。また、自殺で家族や友人を亡くした人向けに、電話相談や集いを行っている。
瀬谷区では役所や社会福祉協議会などが9月23日(土)午後1時30分から、瀬谷公会堂で講演会「こころのストレッチ」を開く。当日は声優や歌手として活躍する佐久間レイさんが、芝居と歌を通じ、命や人とのつながりの大切さを訴える。
9月28日(木)午後1時からは中屋敷地域ケアプラザで、悩んでいる人の話を聴き支援につなげる「ゲートキーパー」の研修会も行う。福祉保健活動の従事者や、関心のある人が対象(先着40人)。同プラザ(【電話】045・303・8100)で申込を受け付けている。
区職員は自殺防止について「悩みを1人で抱え込まず、まずは相談して欲しい」と呼びかけている。
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