竹から作ったオリジナルの楽器「竹琴(ちっきん)太鼓」を使い、区内の福祉施設や保育園などを回って演奏活動を行っているNPO法人楽竹会(奈良部岩次会長)。同会が行う演奏活動が10月17日、500回目を迎えた。考案者の奈良部さんは、「ここまで続けて来られたことが嬉しい」と喜ぶ。
竹琴太鼓誕生のきっかけは、奈良部さんが竹林で愛護会の活動中、足が竹に当たり、音が鳴ったことだった。「意外にもきれいな音で、これは面白いと思った」。竹をさまざまな長さに切断し、加工して出来上がった竹琴太鼓。同会ではこれを用い、8年ほど前から区内や近隣地域で演奏活動を開始。童謡や歌謡曲などに合わせ、参加者は大型スクリーンに投影された歌詞や映像を見ながら手元の楽器を鳴らし、大きな声で歌うというプログラムだ。時には踊りなども交え、五感に働きかける。
奈良部さんによると、竹琴太鼓の演奏は、副交感神経を刺激することで心身のリラックスにつなげ、自律神経のバランスを保つことに効果があるという。「ただ演奏を聴いてもらうだけではなく、一緒に参加してもらう能動的な活動。単純な音楽療法ではありません」と説明。この活動の根底にあるのは、世界保健機関(WHO)が提唱する、自立した日常生活に必要な能力や働きである「生活機能」の向上だと強調する。
奈良部さんはこれまでの活動を振り返り、「奉仕というのは、最終的には自分のためにやっているようなもの」とした上で、「皆さんとどのような理念が共有できるか。世代が変わっても続けていける活動をめざしていきたい」と話す。
今後は演奏中の脳波をデータ化し、副交感神経への影響などもさらに調べていきたいとしている。
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