大阪桐蔭の優勝で、14日間の熱戦に幕を下ろした第96回全国高校野球選手権大会。初のベスト8に輝いた高崎健康福祉大学高崎(群馬県)の横溝拓斗選手、初戦で東海大相模を下した盛岡大学附属(岩手県)の松本裕樹選手、宮杉一輝選手、寺尾恒輝選手、渡部宏選手ら3年生が所属していた少年硬式野球チーム「横浜瀬谷ボーイズ」に焦点をあて、大会を振り返る。
杉山千春監督が指導する瀬谷ボーイズは、瀬谷区や旭区など市内の中学1〜3年生が集まるクラブチーム。週4日の練習や土日の交流試合など、野球漬けの日々を送る。「全国大会に出ることを目指しているわけではない。中学では高校の土台作りが第一」と、杉山監督は一貫した指導方針を語る。松本選手や横溝選手らと同じ14期生の酒井聖史選手(藤沢翔陵高3年)は、「高校でも通用するバッティングが身についたのは、素振りなど基本を徹底するボーイズ時代のおかげ」と当時を振り返る。
14期は「おとなしい代だった」(杉山監督)という。入部時の半数のメンバーが抜ける難局を乗り越え、新チームとして初めて挑んだ2010年9月。「ゼット杯第4回日本少年野球八王子市長旗争奪大会」で、八王子ボーイズを下して優勝。当時2年生の松本選手、宮杉選手らも安打を放ち、勝利に貢献した。「結果はたまたま。退団した選手たちの方がうまかった」と杉山監督。一方で「彼ら(松本選手ら)に意地を持ってほしかった」とも。指揮官としての闘志を垣間見せた。
続く盛大附との縁
瀬谷ボーイズは毎年、8期生から卒団生を盛大附に送り出している。松本選手ら14期生の3年生4人を含め、同校には11人が在籍する。練習試合などで交流があった山梨県のチームが、同校の関口清治監督に瀬谷ボーイズを紹介したことがきっかけで始まった縁。瀬谷ボーイズ出身選手について、関口監督は「中学時代にしっかり鍛えられている。一から高校で教えるのではなく、仕上がっているのは指導する側としてもありがたい」と太鼓判を押す。
中学卒業後の進路は、まず選手たちに考えさせるのが杉山流だ。「行きたいところを自分で見つけるのが大事。こっそり見にいって、野球部の雰囲気を知りなさいと言っている」。進学を控えた3年生には毎年、志望校を5校挙げてもらい、それをもとに面談。「進学は人生を決めるもの。しっかり吟味して決めれば良い」と選手一人ひとりに合った進学先を共に考える。
「先輩の声」も重要なポイントの一つで、投手だった卒団生の話を聞いた松本選手もその一人だ。―続く
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