江戸時代から受け継がれ、大相撲の地方巡業などで披露される伝統芸能「相撲甚句(じんく)」を広めようと、区民有志らがこのほど「瀬谷相撲甚句会」(大江公人代表)を立ち上げた。区内の名所や旧跡を歌詞に盛り込んだオリジナル曲も制作。稽古を重ねたうえで各種行事などに出演し、相撲甚句や瀬谷のPRに取り組んでいく考えだ。
相撲甚句は大相撲の地方巡業などで、力士が土俵上で唄うもの。七五調の歌で、「どすこい、どすこい」という合いの手が入る。江戸時代から続く伝統文化で、広く一般に知られるようになったのは1960年代。日本相撲甚句会の創設者・福田永昌さんが、第45代横綱若乃花の引退に合わせて作品を作り、これがきっかけとなってテレビなどで紹介されるようになった。
甚句の種類は多種多様。力士の昇進や引退について唄うだけでなく、地方ごとの郷土文化と出身力士を織り交ぜた「名所甚句」、各地の愛好家が結婚や卒業といったお祝い行事に合わせて作るものもある。
瀬谷の歴史や名所盛り込んで創作
瀬谷相撲甚句会は、12月から3月にかけて瀬谷センターで開かれた相撲甚句教室の受講者有志で結成された。教室の講師を務めたのは、横浜相撲甚句会の副会長を務める菅野藤雄さん(下瀬谷在住)。菅野さんは、瀬谷でもファンが増えればと、同センターに教室開催を提案していた。
講座の集大成として作ったのが「瀬谷相撲甚句」。受講生が七五調で考えてきた「瀬谷の素晴らしいところ」を、菅野さんがまとめあげて完成した。
「前唄」と「本唄」、「はやし」の3編からなり、前唄では、区のシンボルに制定されているオナガ、アジサイ、ケヤキを紹介。本唄では「昔栄えし 養蚕の 名残り伝える 瀬谷銀行」、「中原街道 二ツ橋 詩を詠まれし 家康公」と歴史を振り返りつつ、「海軍道路の 桜花 トンネルくぐりし 花の宴」「正月巡る 八福神」と現在の人気スポットも盛り込んだ。締めとなるはやしでは、「瀬谷は良いとこ 一度はおいで」と、聴き手に来訪を呼びかける。
「みんなのアイデアが1つになって素晴らしい歌ができた。予想以上の出来栄えです」と菅野さんは太鼓判を押す。大江代表も「瀬谷の知名度を上げる役に立てば」と期待する。
「素晴らしさ伝えたい」
同会では今月1日に初練習を実施。今後は同センターを会場に、菅野さんらを講師として月2回(第2・4土曜日)練習を行う予定で、技術向上に励む。区内などで開かれる行事への出演も視野に入れており、大江代表は「相撲甚句の素晴らしさを多くの人に伝えたい」と意気込んでいる。
活動に関する問い合わせは大江代表【電話】045・302・5804。
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