特別養護老人ホームと学校教育連携 老学連携シリーズ【11】<最終回> 介護と介護職員の役割 緑園都市睦愛園施設長 志澤秀一
急激な高齢者社会を迎え加齢や疾病による身体機能の低下、家族や地域の介護機能の低下等から介護専門職の支援を必要とする人が急増している昨今です。
このような中で介護を必要とする人が尊厳を持って人生を全うできるよう、QOL(Quality of life/生活・人生の質)を高めながらその人らしく生きられるよう自立支援を効率的に展開していくことが、施設職員の使命であると考えます。
介護という仕事は介護する人の人間性によってその質が左右されます。質の高い介護は利用者に感動を与え、またその体験は介護職員を揺り動かす原動力にもなります。感動は人を思う優しさがなければ生まれません。そして苦悩する人を思う優しさは努力なしでは育ちません。誰かの助けを必要とするとき傍らにいて温かく見守り、必要な手助けをすることで利用者もまたゆとりを取り戻し、前向きな生活に挑戦することができます。それだけに介護士は自分の介護に責任が持てるよう、的確な判断力や決断する物の見方や考え方を普段から培っていかなければならないと考えます。
緑園都市睦愛園も開園して3年目に入り、入居者の尊厳と個別性を重視した自立支援に向け、職員のスキルアップを図る研修や第四のケアと言われるタクティールケアの研究にも取り組み、介護予防から看取りまでの幅広いニーズに応えられるよう取り組んでいます。
しかしこれまで伝統的に地域が持っていた共助・公助の力や機能が弱体化し、人と人とのつながりも希薄になってきています。そのような中でしっかりとした地域の福祉活動を支えていくためには地域や学校教育現場からこのような人材を発掘・育成を図っていくことが急務であると考えます。
今回で「老学連携」が最終回になります。これまで緑園都市周辺の小中高を中心に学校教育との連携に取組んできましたが、この「老学連携」が泉区全体に、更には横浜市・神奈川県に広がっていくことを願っています。長い間ご拝読いただきありがとうございました。
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