泉火災予防協会4代目会長を務める 麻生 清さん 上飯田町在住 72歳
消防団の経験を糧に
○…3年前、泉区消防団長として東日本大震災を経験した。泉区で大きな被害はなく出動はなかったが、テレビから繰り返し流れる津波の映像を見て「まるで映画を見ているかのようだった。今でも目に焼き付いている」と思い返す。長年の消防団活動が称えられ、昨年の春の叙勲で瑞宝双光章を受賞するなど、49年携わった消防団を引退すると、10月に火災予防協会4代目会長に就任。地震対策や放火防止を呼びかけたり、防災研修会を行ったりと、地域の防災力向上に力を注いでいる。
○…上飯田町で生まれ育ち、中和田小学校、中和田中学校と進学。高校卒業後に農家を継いで米や麦などの穀物を育てた。当時は高度経済成長期で住宅地が増え、10年間続けた農業から転業を決意。設備関係会社を立ち上げ40年間働く中で、街の発展も目にしてきた。「長後街道や環状4号が出来て本当に便利になった。もっと開けても良いかなと思うが、泉区は住みやすいね」
○…20歳で戸塚消防団(当時)に入団。規模が大きく、団員の年齢は20歳差ほどあり、親子で入っている人もいた。「いろいろな人と交流できたことは大きい。団に入ったことで規律を学び、人間関係が出来た」と懐かしむ。防火用水や貯水池から水を引っ張る長距離消火訓練などを日々行う中、「公設の消防などが動けなくなった時こそ出番。普段から地域で顔を合わせているから細かいことも頼める。その安心感が大事なのでは」と消防団の役割を見つめ直し、「協会として常日頃のPRをしっかりしていきたい」と抱負を話す。
○…最近の楽しみはブルーベリーやみかんの栽培。「畑にいるとのんびりするよ。農業をもう一度やるのもいいかな」と笑顔をみせる。70歳で現場を退いた背景に、「若い人に期待したい。周りの人に経験を聞くのはいいこと」。これまでの活動を糧に、次代を担う若手の育成も見据えた。
|
|
|
|
|
|