決勝直後の松本投手と杉山監督
神奈川県は東海大学付属相模高校が制した高校野球。市内出身選手も各地で活躍し、甲子園出場を決めた。岩手県の盛岡大学附属高校のエースで４番、プロ注目の松本裕樹選手ら、横浜瀬谷ボーイズ（杉山千春監督）の出身選手も、５人が甲子園出場を決めた。
盛岡大学附属高校の3年生には、松本選手と寺尾恒輝選手、宮杉一輝選手、渡部宏選手の４人が在籍。杉山監督が知人の紹介で盛岡大附属高の関口清治監督と知り合い、２００６年の卒部生から毎年数人の選手が進学している。
岩手県大会の決勝は、連覇を狙う強豪、花巻東高校相手に５―４で競り勝ち、２年ぶり８度目の甲子園出場を掴んだ。
準決勝、決勝を観戦した杉山監督は松本選手について「疲労が溜まり、球速が10キロ近く落ちていたが、変化球でかわす上手さを覚えた」と話し、「野球に関する頭がいい。ランナーを出した時に点を与えない投球が彼の持ち味」と評価する。
同校以外にも、群馬県大会を制した高崎健康福祉大学高崎高校で遊撃手としてプレーする横溝拓斗選手や、神奈川県準Ｖの向上高校には田村将太選手と宮崎翔吾選手が卒部生として所属するなど、活躍の場を広げている。
杉山監督はボーイズ時代を振り返り、「人数が少なく、苦労した代だったが、高校へ進み、いろいろな人に育てられ、一回り大人になった」と話し、「周りへの感謝の気持ちを持って、地元の方々へ恩返しをしてほしい」と甲子園へ向かう選手にエールを送った。
和泉遊水地でもキャッチボール
松本選手は３兄弟の次男。２歳上の兄、健太さんは社会人野球を、弟の跳馬君は中学２年生で瀬谷ボーイズに所属している。兄について幼稚園の年中から南瀬谷ライオンズ（内藤三喜男監督）の練習に参加。父、浩さんとキャッチボールをしに和泉遊水地へ足を運んでいたこともあり、横浜市大会では兄弟そろって優勝投手に輝いている。内藤監督は「公式戦で１敗しかしていない印象深い代。今の子どもたちにとても励みになっている」と話した。
健太さんを一番のライバルとし、素振りの回数も競う負けず嫌いな性格で、小さい頃からプロ野球の試合を食い入るように夜遅くまで見ていたという松本選手。決勝戦を家族４人で観戦した母、末江さんは「連投で身体が心配だったが、たくましさを感じた。周りの人に支えられている、その気持ちを背負って投げてほしい」と成長した息子を称えた。浩さんは「大谷２世と呼ばれるのはおこがましい」と謙遜した上で、「これまで教わったことを発揮し、後輩のお手本になるプレーを」とエールを送った。
甲子園大会は９日に開幕し、盛岡大附属高は夏の甲子園初勝利を目指す。
歓喜する選手たち（写真・横浜瀬谷ボーイズ提供）
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