区内の団体が寸劇を通じて地域の課題解決や愛着につなげていくフェスティバルが、2月15日にテアトルフォンテで行われる。緑園総合高校演劇部は、出演する9組の中で唯一の学生団体。中高生を中心に社会問題にもあがるSNSを使ったいじめをテーマに、緑園総合を守る「リョクエンジャー」がネットとの正しい付き合い方を伝える。
スマートフォンの普及により、インターネット上で気軽にコミュニケーションができるようになった昨今。コミュニティ型のWebサイト(SNS)を中心に、それを使ったいじめが社会問題になっている。短文を投稿する「Twitter」や、無料で通話やメールができる「LINE」が代表例としてあげられる。
「文字を送るSNSを生の言葉で伝える、そのかけ離れているさまを感じてもらいたい」と話すのは、同校で演劇表現の科目を担当する原田萌教諭。昨年は授業を受ける生徒の中から有志を募って参加していたが、「経験が豊富な部員たちで、社会問題をわかりやすく伝えられれば」と、今回初めて演劇部が出演することになった。メンバーは、部長の磯部あゆみさんと谷中菜緒さん(2年)、児玉美恵さん(1年)の3人。
物語は、ある生徒が友人からのメッセージを返事し忘れたことをきっかけに、悪口とともにグループを外されるところから始まる。ネットの怪人に唆され、仕返しとして友人の悪口や写真をネット上に流出させようとするところを、緑園総合を守るヒーロー「リョクエンジャー」が食い止めるといったもの。これに部員たちが日頃感じている意見を加えながら、完成に近づけていく。
現在の高校生は、小中学生のうちから携帯電話を所持している人が多い。3人は「短文をすぐ送ることができ、相手が読んだかどうか分かる機能も便利」と話す一方で「やり取りが面倒で放置してしまうこともある」と口にする。「携帯メールよりも手軽に会話ができるようになったことが、悪い面も引き起こしている」という。返信しない状態が続くと、寸劇のようにいじめの対象になる恐れが出てくるという。
磯部さんは「文字だけでは誤解を生むこともある。声や表情を通して直接想いを届けることが大切なのだと伝えたい」と話した。
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