横浜市アマチュア無線非常通信協力会の泉区支部長を務める 川畑 正司さん 中田南在住 68歳
無線の可能性を信じて
○…「最近は携帯やゲームに夢中な子が多いけれど、自分でラジオを作り上げたという感動から、無線にも興味を持ってもらえたら」。毎年開催している子ども向けのラジオ作り教室は定員を超えるほどの人気。夏休みの自由研究にもなると好評だ。「組み立てて音が聞こえた時の子どもたちの声は本当にうれしそう。私も同じだった」と目を細める。区民まつりでも無線を使った企画でPRしている。
○…現在所属する40人の会員は多くが60代、70代。学生時代に始めた人が多く、自身が始めたのも鹿児島にいた高校2年生のころ。「当時は高くて、ほとんどの人が手作り。詳しくないといけないし、田舎だから部品も少ないし、やっている子は高校で2人だけ。熊本まで国家試験を受けに行ったよ」。知らない人とも話ができ、通じるものがあれば友達になれることが無線の魅力。毎年、九州へ行き、レンタカーで各地を巡りながら、現地の無線仲間との交流を楽しんでいる。
○…横浜市と協定を結び、災害発生時には区内23カ所の地域防災拠点と区役所などとの非常通信に協力する。各拠点に会員がアンテナを設置し、被災者や拠点の状況などを区へ伝える。「被災時、携帯や電話は通じない。無線は、いざという時の力になれるはず」と落ち着いた表情で語る。今年は無線とパソコンを組み合わせた通信方法にも力を入れていく予定。音声だけでなく、現場の写真も送ることでより状況が明確に伝わる。昔ながらの無線も新たな技術と合わせることで可能性が広がっていく。
○…現在は、妻との二人暮らし。近隣に住む子どもや8人の孫と賑やかに過ごすことが毎月の楽しみだ。「孫にも無線の話はするけど、あまり興味はないのか、残念ながらやろうという子は誰もおらず…。中・高生くらいになるともう少し機械とかに興味を持つようになるのかな」と寂しそう。新たな無線仲間が増えるまではあと少しかかりそうだ。
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