太鼓演舞などで泉区内を中心に活動する「六央太鼓」の会主を務める 鈴木 憲二さん 中田南在住 67歳
太鼓の音に魅せられて
○…太鼓を始めて53年。オールバックにサングラス、口ひげと男らしくロックなスタイル。だが舞台となれば、太鼓演舞の「六央太鼓」、演劇の「六央劇団」、民謡の「六央会」の会主「橘六央」として法被、ちょんまげ、花魁姿に早変わりする。祭りや敬老会などへの出演依頼があれば、弟子と共に地域を盛り上げる。ワゴン車いっぱいに積み込まれた太鼓や道具。かつらのままで会場をはしごすることもある。「ボランティアだから大変。でも皆が楽しみにしてくれてるから」
○…高校生のころ、当時住んでいた長野県の神社の太鼓囃子に心惹かれ、太鼓を始めた。「音に魅せられたっていうのかな」。母が三味線を教えていたこともあり、民謡や舞踊の存在は身近だったという。稽古を重ね、37年前に橘流家元となってからも、伝統的な太鼓のほか、地方の民謡太鼓を取り入れるなど、挑戦を続ける。現地には何度も足を運んでおり、衣装や舞台道具も大半が手作りだ。
○…親子で建設会社を営んでおり、今も現役なのは「舞台のため」。仕事外の時間は地域活動にも精力的。20歳のころから交通安全協会に入っており、区内では一番の古株。小学校での安全講習も銭形平次に扮しコント仕立てにするなど、ここでも力量を発揮する。ハーレーに射撃、好きになったものは太鼓と同じく音に惚れたものばかり。「男ならやらなきゃっていうものは全部やったね」とタバコを吸う姿もきまっている。
○…泉区分区の年に泉区民謡連合会を設立。今年の30周年記念のチャリティー大会の実行委員長を務める。区内の会が一堂に会する大舞台。六央会では、太鼓と剣劇に加え、10年ぶりに「花魁道中」を披露する。会主自ら、眉と髭を塗りつぶし、美しいけれどちょっと笑える花魁として登場。「セリフがないから動きや演出が鍵。お客さんにケラケラ笑ってもらいたいね」。真剣だけど面白い。地域の笑顔を生む舞台をつくる。
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