戸塚区上矢部町在住の諸星流美子さん(57)はこのほど、釈迦の遺骨を礼拝する舎利礼文の文言を縫い込んだキルトを完成させた。
およそ2年の月日を経て姿を変えたのは、伊勢原市にある宝城坊・日向薬師の元住職が実際に使用していたという袈裟や法衣。キルトの縁と文字には法衣を、地には袈裟を使い、縦約2m、横約1m40cmの作品に仕上げた。
自宅で20数年間、「お針教室」を開いてきた諸星さん。夫が病気で倒れてからは、裁縫技術を生かし、夫のワイシャツ、パジャマから病院等で使用するタオルケットやぬいぐるみをつくるようになった。
2013年、夫は3年間の闘病生活の末に亡くなったが、当時制作した般若心経の文言を縫ったキルトが同寺院で飾られた縁で元住職と知り合った。
「何か感謝の気持ちを伝えられたら」。元住職にも相談し、たどり着いたのが、今回のキルト制作だった。
地の部分につけたキルティングの柄にも想いを込めた。紫色部分の直線には「迷わずまっすぐに進む様」、山吹色部分の波紋には「水が流れるように、あるがままの姿」――。「いろいろな大切なものが、形を変えて残っていく様を大事にしたい」と諸星さん。
作品は近々、同寺院に奉納する予定だという。
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