市立東中田小学校のマーチングバンドクラブが10月2日に横浜アリーナで開催された神奈川県大会(小学生の部)に出場し、同校初となる関東大会進出を決めた。強豪校での指導経験が豊富な米谷学教諭が今春着任し、練習を強化。早くも特訓の成果が表れた。
クラブ活動とは別の課外活動として、授業時間外に希望者が集まり取り組んでいる同バンド。およそ30年前に設立され、現在3〜6年生52人が所属している。5年前から県大会に挑戦してきたが関東大会への推薦を受けることはできなかった。昨年の大会後は悔しさのあまり、大泣きした部員の姿もあったという。そこへ今春、歴任した各校のマーチングバンドを全国大会へと導き、「米谷マジック」という言葉が生まれるほどの名指導を行ってきた米谷学教諭が着任。新体制での練習が始まった。
児童らの演奏を聴き、「もう少しコツさえつかめればもっともっと伸びる子たちだと感じた」と米谷教諭。まずは人数を大編成の部門に出場できる51人以上に増やすため、対象学年を4年生から3年生に引き下げた。演奏をしながら次々とフォーメーションを変えるマーチング。人数が増えることで、音に厚みを持たせることができ、ドリル(動き)の迫力増も狙えるという。さらに朝練習を週3回から5回に拡大。放課後は塾や習い事に通う児童も多く、朝と土曜日の練習が中心となる。「回数は増えたが、子どもたちからは『もっとやってみたかった』『うまくなりたい』と意欲的な声が上がり、練習にも熱が入っている」と話す。
同バンドが今年挑戦したのは、エドヴァルド・グリーグ作曲の組曲『ペール・ギュント』。目指すのは「美しい音楽」と「美しいフォーメーション」だ。「人を感動させることができれば、大会の結果も自ずとついてくる」と常々口にしていると米谷教諭。まずはきれいな音の出し方を重点的に、腹筋を鍛えることなどから指導したという。マーチングの醍醐味であるドリルに関しては、想定以上に実力が上がってきたため、走るように移動する高難度の「ジャズラン」という動きを急きょ取り入れた。部長を務める川上杏菜さん(6年)は「走りながら演奏なんてやったことがないし大変だったけど、ワクワクした」と振り返る。
また、米谷教諭は地域の理解や関係者の協力への感謝を口にする。「大変ありがたいことに近隣の皆さんから騒音への苦情もなく、保護者の皆さんに横断幕も設置していただいた。担当外の教員が練習のためにライン引きを手伝ってくれるなど、ここまで協力的な学校は初めて」と話す。
県大会には保護者や教員らが大勢駆けつけ、バンドの演奏・演技を見守った。出場した18校のうち推薦を受けたのは13校。初めてつかんだ関東大会進出に、川上さんは「今までの練習の成果を出せたと思います。保護者や先生から『すごくよくなった』という声もあって、自分たちでも少し実感しています」と笑顔を見せる。
関東大会(小学生の部)は11月5日にさいたまスーパーアリーナで開催される。泉区内からは中田小学校、中和田小学校も出場し、31校が11校の全国大会出場枠をかけて競う。
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